2025.04.25

CARS

「正直に白状すると、ちょっと欲しいかも……」というクルマとは? 嶋田智之(自動車評論家)が5台の注目輸入車に試乗!

嶋田智之さんが乗ったのは、ロータス・エメヤR、フェラーリ・プロサングエ、シトロエン・ベルランゴ・マックス、アウディSQ8スポーツバックeトロン、BYDシールAWDの5台

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BYDシールAWD「正直ちょっと欲しい」

航続距離649kmのRWDモデルが528万円、575kmのAWDモデルが605万円。最初にその価格を聞いたときには、間違いなく何かの間違えだ、と複雑な言葉づかいで混乱したものだった。驚異的なコストパフォーマンス。

BYDシールAWD

でも、BYDシールはコスパだけのモデルじゃなかった。どちらのモデルも1週間ほどお借りしてアホみたいに長距離を走ってみたが、リアルな航続距離でも充分以上に納得がいったし、急速充電時の電気を飲み込む性能にも満足できた。BEVとしての優秀さには、気掛かりな部分は微塵もなかったのだ。

BYDシールAWD

自動車としてのクオリティを考えても、かなりの出来映えだと思う。今回あらためてAWDモデルを走らせたのだが、路面の荒れが続くところでサスの伸び縮みの帳尻が合わなくなることがあって、そこが少し気になりはしたけれど、加速力にしても旋回性能にしても乗り心地にしても装備類にしても、ウォルフガング・エッガーの手になるスタイリングも、しっかりと気を惹いていくレベル。正直に白状すると、ちょっと欲しいかも……

「これからへの期待感が膨らむ」 嶋田智之から見た、いまのガイシャのここがスゴい!

今回も試乗車ガチャ(?)みたいに与えられた5台に乗らせていただいたわけだけど、それぞれがハッキリとした個性を見せてくれて、いつもながら楽しかった。

5台中3台がBEVというところは時代の流れ。けれど、古くからのブランドの持ち味を大切にしている2台の内燃エンジン車はもちろんのこと、3台のBEVもそれぞれ明確に異なる乗り味を感じさせてくれて、僕はそれがヤケに嬉しかった。



すべてがBEVになったらブランドごとの、モデルごとの持ち味はどうなっちゃうんだ? なんて危惧した頃もあったけど、それが杞憂に終わりそうと実感できたからだ。

今は大変革期といわれる状況のまだ真っ只中。そんな中、それぞれが自らの矜持をキッチリと見せつけてくれたのは歓び以外のナニモノでもない。それこそが、底力なのだから。原動機問題の先行きがさらに曖昧になってきてる今、なおさらこれからへの期待感が膨らんでくるってものだ。

文=嶋田智之

(ENGINE2025年4月号)

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