2025.07.21

CARS

ノーフォークテリアのテトくん、フィアット500Lは家族の一員  

ノーフォークテリアのテトくんと日比さん夫妻。

全ての画像を見る

相性すべてよし

そんなテトくんの印象と共通するのが、いまの日比家の足となっているフィアット500L。日本には正規輸入されていなかった500の派生モデルのMPVである。並行輸入されていたこのモデルを、日比家では2019年に購入。そのいきさつを博久さんが振り返る。

advertisement


もっとも、プラットフォームは当時のプント系をベースにしたもので、さらにこのリアオーバーハングを伸ばした7人乗り仕様も用意されていた。

「アルファの後、一時期ドイツ・ブランドのミニバンに乗っていたんですが、意外と故障が多かったんですよね。でも、その使い勝手や空間の広さは魅力だったので、代わりになるクルマを探していたんです」

そこで、イタ車の英才教育を受けてきた息子さんのアドバイスもあり、候補に挙がったのが500Lだった。

「普段の生活でも、仕事でも、人も犬も乗るとなると、それなりのスペースが必要ですよね。息子が勧めてきた500Lを見てみたら、色味もデザインも可愛くて、そのうえちゃんとスペースも確保されていて、ちょうどよかったんです」

テトはシートベルトで固定されたクレートに収まっている。

軽油で燃費がよく、経済的なのもお気に入りだという裕子さん。日比家の500Lは1.3リッター直4ディーゼルにデュアロジックの組み合わせだ。並行輸入車でロボタイズドMTと聞くと少し不安に思うが、博久さんは「特に問題ありません」と笑う。

「これまですべて中古車のフィアット、アルファを乗り継いできましたが、実は大きなトラブルはなかったんです。そんな経験があるから、500Lも気にせず選べましたね」

イタリア車を乗り継ぐ中で養われたクルマを見る目があったからこそ、良い個体を選べたのだろう。そして何より、日比家とイタリア車の相性の良さは疑いようがない事実。それは、テトにも同じことが言える。

裕子さん曰く「このクルマは内外装の色合いもよくって、サンルーフなど装備が充実していたのもお気に入りのポイントです」

「彼がうちに来てからはずっと500Lなので、おそらく『これが自分のクルマ』って思っているでしょうね。やんちゃな一面もありますが、クルマ酔いもせず、ドライブにもちゃんと付き合ってくれています」

先代のノーフォークテリアよりも活発だというテト。ふたりの顔を交互に見ながら、裕子さんの腕の中で遊びたそうにウズウズしている。

「息子は結婚して独立したので、今はこの子が夫婦のかすがいといえます(笑)。もう少し落ち着いてきたら一緒に旅行にも行きたいですね。もちろん、この500Lで。そういう意味ではクルマも家族をつなぐようなものかもしれません。そうそう、少し前に家族みんなで写真を撮ってもらったんですよ。500Lと母の500、息子のムルティプラと600、息子の奥さんのパンダ。フィアット5台が並ぶと壮観でした(笑)」

愛犬第一でイタリア車好き。それが家族をつなぎ、歴史を積み重ねてきた。日比家の円満の秘訣は、まさにそこにあるのだ。

文=桐畑恒治 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年5月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement