2025.05.06

CARS

その名に偽りなし!史上最強635ps/750Nmエンジンを搭載するレンジローバー・スポーツ 富士スピードウェイで試す

レンジローバー・スポーツSVエディション・ツー

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強烈な加速と安定したコーナリングに衝撃

試乗は富士スピードウェイのショートコースで行われた。レンジスポーツは元々精悍なスタイルを持つが、SVエディション・ツーではさらにその印象を強めている。吸気性能の向上を狙ったフロント・バンパーの形状変更や、カーボン製ボンネットや足元のカーボン・ホイールなどが、その迫力ある外観に寄与している。

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何より明白だったのはその走りだ。先代モデルのSVRも575ps/700Nmという圧倒的なパワーを誇ったが、今回のSVエディション・ツーの走りはその記憶を上書きするものだった。

まず印象的なのは、加速の力強さと滑らかさである。1800rpmから発生する最大トルクの奔流は圧倒的で、気づけばその専用シートに体がめり込まんばかりの加速を味わうことになる。

そのうえで18psのモーターを組み込んだマイルド・ハイブリッドが滑らかさを後押ししているのだろう、シフトショックも極めて少なく、許容回転のリミットまではあっという間だ。



特筆すべきは、コーナリング時の姿勢の安定性だ。油圧でリンクさせたエアサスペンションはスタビライザーを持たない構造ながら、ショートコースの第1コーナー以降のインフィールドにおける切り返しや、高いスピードで横Gを大きくかけた際の姿勢変化が極めて小さい。

特に、専用の「SVモード」を選択すると車高がさらに15mm下がり、空力と重心の両面から運動性能が最適化される。その結果、2.6トン近い車重をほとんど感じさせない、シャープな挙動を実現しているのだ。これは先代にはなかった新たな個性。この大きな車体を軽々と操れることに衝撃を受ける人も多いはずだ。

ステアリングのセンターパッド直下に赤く見えるのが「SVモード」のスイッチだ

つまり、レンジローバー・スポーツSVエディション・ツーは、高級SUVとしての格式と快適性、機能性を維持しながら、スポーツカー顔負けのパフォーマンスを実現したパンキッシュなモデル。ジャンルに縛られず、自由奔放な性能を求める向きには見逃せない1台である。

■レンジローバー・スポーツSVエディション・ツー
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4970×2025×1815mm
ホイールベース 3000mm
トレッド 前/後 1715/1725mm
車両重量 2570kg
エンジン形式 V型8気筒DOHC32Vツインターボ
総排気量 4394cc
ボア×ストローク 89.0×88.3mm
最高出力 635ps/6000-7000rpm
最大トルク 750Nm/1800-5855rpm
変速機 8段AT
サスペンション形式 前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ 前後 通気冷却式カーボン・ディスク
タイヤ 前/後 285/40R23 111Y/305/35R23 114Y
車両価格(税込) 2474万円

文=桐畑恒治 写真=ジャガー・ランドローバー・ジャパン

(ENGINE2025年6月号)

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