2025.05.15

CARS

EV走行距離200kmのプラグイン・ハイブリッド 中国向けSUVで復活するボルボXC70

SUVとしては低めのルーフで、ややワゴン的なシルエットとなるボルボXC70。

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ボルボが、新型車の「XC70」を公開した。中国市場のニーズを見込み、EV走行性能を強化したPHEV(プラグイン・ハイブリッド)だ。

復活するXCと70の組み合わせ

XC70はかつてV70のクロスオーバー・モデルに与えられていた車名だが、SUVとして再登場する。



EV走行での航続距離は、最大200kmに達するという。既存のPHEVは、XC60もXC90も80km前後であることを考えると、飛躍的な向上だ。パワートレインに関する詳細は未公表だが、プラットフォームは新開発のSMAであることが明らかにされている。



このSMAはスケーラブル・モジュラー・アーキテクチャーの略で、レンジの長いプレミアムなプラグイン・ハイブリッド向けのものだという。ゼロ・エミッションで日常走行をカバーしつつ、効率的な内燃エンジンで長距離走行の自由度も拡げる。ボルボのホーカン・サミュエルソンCEOはこれを「完全電動化への完璧な橋渡し」だと語る。

ちなみにサミュエルソンCEOは2012〜2022年に同職でボルボの電動化を推し進め、その後は系列ブランドであるポールスターを率いてきたが、2025年4月に復帰。今度は世界的なEVシフト減速に対応し、電動走行距離の長いPHEVという、より現実的な手段の普及に努めることとなる。

エクステリアは、ボルボの最新ラインナップに通じるテイストで、フロントまわりはトール・ハンマー型シグネチャー・ライトを採用。マトリックスLEDを用いる前照灯は、バンパー両端に設置される。

アッパー・グリル部はEVのようにボディ色のパネルで覆われるが、ロワー・グリルにはアクティブ・シャッター付きの開口部が設けられる。

SUVとしては低めのルーフは後方へ向かってスロープを描き、Aピラーからルーフ、Cピラーまではシームレスにつながる。ややワゴン的なシルエットだが、クッキリと張り出したショルダー・ラインやホイール・アーチが、SUVらしい力強さを演出している。



リアは、C型のライトと、寝かせ気味のCピラーへ伸びるライトを組み合わせた、いかにもボルボらしいテール・ライトを採用。ただし、上部のライトはリア・ウインドウと段差なく連なり、先進的かつ機能的なデザインとしている。

詳細は数ヶ月以内に発表されるというXC70。車名のとおり、XC60よりやや大きく、広いスペースを備えるというSUVが、中国以外でも需要があるだろうことはボルボも重々承知しているところで、ほかの市場へも投入する可能性を探っているという。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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