2021.09.04

CARS

熟成が進んだ滑らかな乗り心地 マイナーチェンジしたボルボXC90T8で長野から東京までロング・ドライブ!

ボルボの最上位モデルの最上級グレード、XC90 T8がマイナーチェンジを受けた。長野から東京まで、峠道を中心に乗ってみた。

ボルボはEV化に向け邁進中

昨年秋にXCシリーズのマイルド&プラグイン・ハイブリッド化を発表し、先日は近未来のEV版XCシリーズを予感させる“コンセプト・リチャージ”をお披露目するなど、ボルボは2030年の完全EV化に向けて邁進中だ。そんな中、東京~仙台~新潟~金沢~長野と、リレー方式のXC90の試乗会が行われ、最上位のT8に長野から東京まで乗った。

現行XC90は2016年に上陸したが、ハイブリッド化と同時にマイナーチェンジを受けてラインナップを一新。ガソリンのT6とディーゼルのD5がなくなり、吸排気からエンジン内部まで改良したガソリン・ターボでマイルド・ハイブリッドのB5と、そこにスーパーチャージャーを加えたB6、そしてプラグイン・ハイブリッドのT8と、パワートレインは3種類になった。





乗り降りは少々大変だが、3列目シートでも前2列と同等の安全性を担保するのはボルボならでは。

ただし前後2つのモーターを持つT8だけはT6ベースで、気筒休止システムなどはない。見た目の違いはわずかで、フロント・グリル内の桟が柔らかで凹んだタイプになり、ダクト周囲にクロームがあしらわれた程度だ。価格は60万円値下げされ、949万円となった。

少しでも電力があれば積極的に使おうとするT8のモーターの制御は、導入当時と変わっていなかった。とにかく滑らかに加速し、静粛性は恐ろしく高く、ロードノイズも耳に伝わってこない。この静けさと高品質でセンスのいいXC90の世界観は、見事にマッチしていると再認識させられた。

センタートンネル内に配置されたバッテリーの容量は11.9kWで、チャデモの急速充電には非対応。

荷室内にあるのは災害時用の防災バッグと充電ケーブル用のバッグ。

こんなに滑らかだとは!

長野市街を抜け、志賀高原を過ぎて峠道へ分け入ると、これまで乗ったどのXC90よりもサスペンションの動きがしなやかで、滑らかに路面をトレースしていくことに気がついた。T8は他のグレードではオプションとなるエア・サスペンションと21インチ・タイヤの組み合わせが標準だが、豊かなサスペンション・ストロークを使って、バネ下の重さを感じさせない、懐の深い脚さばきを見せてくれる。速度を上げると落ち着きが薄れていく導入当初のT8とは、まったく別物だと思った。碓氷峠の旧道のような延々とコーナーが連続し、少々路面が荒れてうねりのあるようなところでも、見事に姿勢をコントロールし続けてくれる。

バッテリーはほぼ満充電で出発し、省燃費走行は一切せず、長野~東京間の313kmのうち半分は峠道を、半分は高速道路を走行した結果、燃費は11.6km/リッターだった。

そして、こうした操る喜びがある一方で、最大航続距離が40kmほどとはいえ電気モーターだけで走れるし、深夜の帰宅時に備えて回生モードを使って電力を蓄えたり、雪道や悪路用に4WDに固定するモードも用意されている。ボルボXC90 T8は熟成を重ねた結果、滑らかさを得て、見事なまでに隙のない1台になった。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

(ENGINE2021年9・10月号)

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