2025.07.27

CARS

こんな秘密基地が欲しい! 白洲次郎を知って「ポルシェが生涯の友になった」 1970年型ポルシェ911Sオーナーの素敵な人生の楽しみ方とは?

1970年型ポルシェ911Sとオーナーの入川ひでとさん。

全ての画像を見る

ピタッとハマった

ついにポルシェの扉を開けた入川さんは、まるで堰を切ったようにポルシェを乗り継いでいく。

advertisement


「アシで乗っていた964や993を含めて空冷ばかり何台も乗ってきたけど、珍しいところでは80台限定の964ターボS3.3IMSAとか、20台しかない964カレラ4ライトウェイトに乗っていたこともあります。あとは356スピードスター・カレラGS-GT。他に356AもBも、スーパー90も乗りました。ナローはタルガのほかに72年の911Sとかね。そうそう、グループBのホモロゲ用に20台作られた911SC RSを持っていたこともありました」

MOMOのプロトティーポ、10000rpmスケールのレブカウンター、RSR2.8のバケットシート、ホーングリルに付いたフォグランプ、ワイドリムのフックスホイールなど「わかる人ならニヤリ」とするディテールが満載。



今はこの911Sのほか、2.7RSRの6気筒エンジンを積んだ356B、RSRルックの930、そして992.2型の911カレラTカブリオレの納車待ちだそうだ。

「ポルシェ好きって“匂い”があるでしょ。最初はとっつきにくいけど、付き合うとスイッチ入るみたいな(笑)。そういう意味で良い人との出会いに恵まれたのは大きいですね」

という入川さんだが、乗ってきたポルシェは圧倒的に空冷が多い。やはりポルシェは“空冷に限る”のだろうか?

「空冷じゃなきゃいけないわけじゃない。水冷もいいし、面白い。でもまだ修行が足りないのか“空冷じゃないと入川らしくない”と言われるのが嫌なんですね(笑)。まだ空冷を言い張っていたいって言うのかな。そういう意味でも昔はクルマをモノとしてしか扱ってこなかったけど、自分のライフスタイルを表現する存在にかわった。イタリア車って“ハレとケ”があるけど、ポルシェは生活の延長線上にある。いつもいて、いつも遊べる。いい相棒ですよ」

まるでガレージのようなカフェに佇む911Sと入川さんの間に、肩肘張らない自然な空気が流れているのは、そういう背景があるからだ。それは人とクルマの関係において、理想的な姿であるように感じられた。

文=藤原よしお 写真=茂呂幸正 取材協力=TREX KAWASAKI RIVER CAFE

(ENGINE2025年6月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement