2025.05.14

CARS

最高出力は510馬力! 価格は1億4000万円から! ポルシェ911のレストモッド、シンガーのクラシック・ターボに乗る【後篇】

ポルシェ911のレストモッド、シンガーの「クラシック・ターボ」に乗った!

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シンガー・ヴィークル・デザイン社が手がけたレストモッド車両「ポルシェ911リイマジンド・バイ・シンガー」に南カリフォルニアのマリブ周辺で大谷達也が試乗。さらに同社の新たなサービスについても報告する。

【前篇を読む】ポルシェ911のレストモッド、シンガーのクラシック・ターボに乗る

意図的に扱いにくい? 

シンガー・ヴィークル・デザイン社が手がけたレストモッド車両、ポルシェ911リイマジンド・バイ・シンガーの「クラシック・ターボ」に試乗し、前篇で報告したようなことと同じ傾向は、パワートレインからも感じ取れた。

ポルシェ911のレストモッド、シンガー・ヴィークル・デザイン社の「クラシック・ターボ」。



クラシック・ターボ・サービスに用いられるエンジンは、タイプ964に搭載されたボクサー6の排気量を3.6リットルから3.8リットルに拡大したうえで、2018年以降のタイプ992のターボSと同じバリアブル・ジオメトリー・ターボ2基を搭載し、エンジン・マネージメント・ユニットを最新のボッシュ製に置き換えたというシロモノで、最高出力は510ps、最大トルクはおよそ600Nmに達する。



ただしこのエンジン、幅広い回転域でフラットなトルクを生み出すようには躾けられてなく、低回転域ではおそらく意図的にトルクを絞ったうえで、トップエンドに向けて漸進的にパワーを開放させるセッティングとされている。

おかげで、例によってストロークが長めで、しかもフィーリングが乏しいオルガン式クラッチ・ペダルを操って発進させるにはいささか慣れが必要になるものの、4000rpmを越えたあたりから本領を発揮し始めたかと思うと、最後の2000rpmはあっという間に吹けきってしまうほどのパワー感を発揮する。



その、微妙な扱いにくさと刺激的な性格を併せ持つキャラクターは、まさにファウズのようなエンスージァストが期待するとおりの仕上がりといえるだろう。

そんなフジ・コミッションとワインディング・ロードを駆け抜ければ、やや硬めのサスペンションが落ち着いたコーナリング・フォームを約束してくれるうえ、荒れた路面でも一定のグリップ・レベルを確保し続けてくれるのでスタビリティは高く、思いのほか安心してコーナリングを楽しめる。



けれど、さらにペースを上げれば、ロード・インフォメーションが豊富なステアリングからはタイヤのスリップ・アングルが微妙に変化する様子が伝わってきて、ヒリヒリするような刺激も味わえる。この安心感とスリルが背中合わせとなったコーナリングもまた、ファウズが目指したシンガー・テイストに違いない。

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