2025.06.22

LIFESTYLE

【夏こそ寿司】新時代江戸前鮨「みつい」 徹底的な仕込みが生み出す、新しい美味に注目! 

料理は2万8875円のコースより(価格は税・サービス料込み)。対馬産の穴子の握り。穴子は共水(現地の水)で活かしこみ、ストレスがかからない状態で直送される。白酢1種で味付けした酢飯は後味のキレがいい。

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外には見えない仕込みの技が深化し、多様化する江戸前鮨の世界。伝統を大切にしながらも独自の工夫で鮨の可能性を広げる新店、「みつい」に注目したい。

絶妙な日本酒とのペアリング

麻布十番に5月にオープンした「みつい」の店主・三井祥氏は、「魚の目利きと魚体を見極めた仕事」を重視し、江戸前の技術を土台に丁寧な仕込みを徹底する鮨職人。

店主の三井祥氏は「ヒルトン東京」の日本料理店を経て銀座「青空」で修業し、西麻布「鮨祥」で活躍。2025年5月に独立。

例えば、産地直送の活穴子は、自ら神経締めと血抜きを施し、雑味を抑えつつ香りや旨みを残す。

血抜きしたら「すぐに」煮ることで身の締まりやざらつきを防いでいるという穴子は、柔らかな身にきれいな旨みが凝縮して、洗練された味わい。

ノドグロや金目鯛といった脂の強い魚は炭火で焼き上げ、「焼き鮨」として提供するのも「みつい」の特徴。

焼きずしの一例「ノドグロ」。ノドグロの骨を煮詰めたあんをかけて供される。

酢飯の温度も魚種に応じて変え、アジには人肌に冷ました酢飯、マグロや穴子、ノドグロには温かめの酢飯を使用し、それぞれの魚の味を引き立てている。

おまかせコースは、つまみ5~6品と握り12~13カン。日本酒とのペアリングにも力を入れており、例えば「くじら」の握りを古代米の日本酒と共に味わえば、絶妙なハーモーニーと余韻に圧倒される。

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章

■「みつい」東京都港区麻布十番3-10-2 THE CITY麻布十番 LIBERTA 5F

(ENGINE2025年7月号)
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