2025.06.26

LIFESTYLE

【上映中】ルイス・ハミルトンが製作に参加! ブラッド・ピット主演の映画『F1(R)/エフワン』のド迫力レース・シーン

F2マシンを走らせるまでにドライビング・テクニックを磨いたブラッド・ピット

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ブラッド・ピットが最下位のF1チームを優勝争いへと導くレーシング・ドライバーを熱演。その最大の見どころは、全編を彩るド迫力のレース・シーンだ。

メルセデスAMGのF1チームが協力

自動車レースを描いた映画の名作といえば、古いところではスティーヴ・マックイーンの『栄光のル・マン』、比較的新しいところでは、F1ドライバーのニキ・ラウダとジェームス・ハントの対決を描いた『ラッシュ/プライドと友情』、ル・マンでフォードGT40を駆るケン・マイルズがフェラーリ打倒に挑む『フォードVS.フェラーリ』あたりが思い浮かぶ。これらの作品の成否はもちろん、いかに迫力あるレース・シーンを撮れるかにかかっている。その点においては、ブラッド・ピットが主演する映画『F1(R)/エフワン』を観て感心するモータースポーツのファンは多いことだろう。

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劇中に登場するのは、一回の入賞すら果たせない最下位のF1チーム。90年代にF1ドライバーだったオーナーのルーベン(ハビエル・バルデム)は、起死回生の策として当時のチームメイトだったソニー(ブラッド・ピット)をドライバーとして引き入れる。かつて天才ドライバーとして将来を嘱望されていた彼は、レース中の不幸な事故の後、表舞台から退いていたのだ。ソニーは才能がありながらも結果が出せない若手のジョシュア(ダムソン・イドリス)とタッグを組み、チームを優勝争いへと導いていく……。

年の離れた2人のドライバーの対立と友情や、最強マシンの開発に挑む女性リーダーとのロマンスなど、娯楽映画としての要素はしっかり盛り込まれている。だがやはり、本作の一番の見せ場は全編を彩るレース・シーン。作り手の本気度は、プロデューサーのひとりとしてルイス・ハミルトンが名前を連ねていることからも伝わってくる。

超高性能の小型カメラをクルマに取り付けて撮影

リアルなレース・シーンをつくるために必要だったのは、まずは俳優たちの運転技術の向上。最初はスポーツカーでトレーニングを開始し、最終的にはF2マシンまで走らせるようにした。

劇中に登場するマシンは、メルセデスAMGのF1チームの協力のもと、F2マシンをベースに作られた。本作には実際のF1レースで撮られた映像がふんだんに登場するが、ロンドン郊外にあるシルバーストーン・サーキットの撮影では、40万人の観客を前にブラッド・ピット自身が運転していたという(誰も本人と気づかなかった……)。

また本作のために開発した超高性能の小型カメラをクルマに取り付けて撮影したことで、まるで観客自身が疾走するマシンのコックピットの中にいるような、臨場感あふれる映像をものにすることができた。

映画ならではの脚色もあるだろうが、熟練ドライバーのソニーがサーキットで次々に繰り出す奇策や、チームメイトとの連携プレーも興味深い。F1を知る人も、そうでない人も楽しめる、これぞ王道のレース映画だ。


■『F1(R)/エフワン』 

本作の出演にあたって、ドライビング・テクニックを磨くための、厳しいトレーニングに励んだブラッド・ピット。もともとバイク乗りだったことから学習が早く、ルイス・ハミルトンもそのセンスを絶賛していたという。ブラッド・ピット演じる主人公のかつてのチームメイトで、弱小F1チームのオーナーを演じるのがハビエル・バルデム。映画『ノ―カントリー』でオスカーを受賞したスペイン出身の名優だ。監督は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー。戦闘機の空中戦で見せた迫力のスピード感を、今度はサーキットに持ち込んで成功させた。配給:ワーナー・ブラザース映画。6月27日(金)より全国劇場公開 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2025年8月号)

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