2025.07.28

CARS

公道では速くなり過ぎた!?  480psに進化したBMW M2試乗!


さすがM社の仕事

走り始めて感心したのがエンジンだ。とくに力強さが半端ない。従来型と同じ550Nmという最大トルクにより、油断していると太いセミ・スリックのような後輪がいとも簡単に滑りだす。レスポンスも抜群。アクセレレーターに対する反応はエンジン回転数をある程度維持している状態なら自然吸気のように俊敏だ。最高出力が増えたおかげで高回転の伸びも向上している。あらゆる面で「さすがM社の仕事」と納得する出来を有していた。

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また、コーナーでの振る舞いも見事のひと言。驚くのは限界の高さ。想定より高い速度で進入してもM2は難なくコーナーをクリアしていく。公道でこのクルマのリミットを知るのは至難の業だ。高出力の後輪駆動ゆえに不用意な操作に対する許容範囲は4WDより狭いが、仮に限界を超えたとしても、躾のいい姿勢安定制御のおかげで、機能をオンにしている限りは口から心臓が出ることはない(笑)。ステアリングはシャープ過ぎずダル過ぎず。切り始めを鋭くすることでスポーティに感じさせるような演出はなく、素直な感触で好感度は高い。脚は硬めだが、路面からの入力は角が丸められ、高性能スポーツとしては想像以上に快適だ。

新型M2でも高出力FR独特のヒリヒリするような緊張感は健在。相変わらず速いだけでなく、操り甲斐のある魅力的なスポーツ・モデルだった。ただ、公道で楽しむにはちょっと速くなり過ぎた気がしなくもない。もう少し出力を抑えた、初代M3のような直4仕様があってもいいかも。もちろん、右足を踏み過ぎなければいいだけなのだが……。



文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=佐藤亮太

(ENGINE2025年9・10月号)

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