46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第11位にランクインしたのはFRからミドシップへと大転換を果たしたこのスポーツカーだ!
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第11位! シボレー・コルベット 157pt
昨年からひとつ順位は落としたものの、悲願のミドシップを手に入れたアメリカを代表するスポーツカー、コルベットが今年も上位にランクイン。多彩なパワートレインのバリエーションがその魅力をさらに後押しする。

アメリカが世界に誇るスポーツカーにして、桂伸一さんが「欧州スーパースポーツと対等に渡り合える素晴らしい操安性」、斎藤慎輔さんが「いきなりミドシップを採用してこの出来栄え」と賞賛するコルベットがFRからミドシップへ、1953年の誕生以来最大の改革を果たして早5年。
大排気量V8というだけでも今や貴重なパワートレインは初代から受け継ぐOHVにDOHCやハイブリッド、さらには日本未導入のツインターボとそのハイブリッド版も加え、現代のスーパースポーツとしては稀有なほど豊富なバリエーションで新旧多くのファンを魅了している。

「トルクのぶ厚さが先にくる2LT、3LTをよりらしいと思ってしまった」(斎藤聡さん)や「個人的に惹かれるのは、今なおベースモデルに搭載される古き良きクロスプレーン」(武田公実さん)、「OHVの自然吸気8エンジンは世界遺産」(荒井寿彦さん)というOHV派、「Z06に大いに惹かれてしまう」(島下泰久さん)や「NA5.5リッターDOHC V8は内燃エンジンの記念碑」(高平高輝さん)とのDOHC派、「E-Rayの姿に、未来と伝統の交差点を見た」(桐畑恒治さん)というハイブリッド推しまで、好みはさまざま。

DOHCのLT6でも、レースエンジン譲りのメカノイズがスパルタンな雰囲気を醸し出すものの、高回転型NAユニットにありがちな低回転域の神経質さは皆無。「2種類のV8はどちらもちびっちゃうくらい快感発生機」(佐野弘宗さん)との評価にはおおいにうなずける。
さらには、レースマシン直系のZ06や、ハイパーカーの域に達したZR1Xでさえコンバーチブルを選べるアメリカ車らしいおおらかさも見逃せない。「買うなら屋根の空く方を選びたい」(国沢光宏さん)との意見には大賛成だ。

もちろん、わずかな手間を惜しまなければ、ルーフパネルを外してオープン気分を味わえるクーペも、また魅力的な存在なのだが。「なによりデザインだけで選んでしまいました!」とEPC会員の鯰江さんが語るように、乗らずとも憧れを抱かせるオーラに溢れ、価格は比較的手頃で夢がある。
伝統の名前を守りつつも大胆な変化を恐れぬ、まさしく自由の国のスーパースターだ。
文=関耕一郎
■シボレー・コルベット(コンバーチブル、Z06、E-Ray含む)
全長×全幅×全高=4630×1940×1225mm。ホイールベース=2725mm。車両重量=1670kg(クーペ2LT)。日本仕様は502ps/6450rpm、637Nm/5150rpmの6.2リッターV8OHV、このエンジンに前1モーターを加えたE-レイ用のハイブリッド、Z06に搭載される5.5リッターV8DOHCの3タイプ。車両価格は1420万円~。
■シボレー・コルベットには16人が投票!157pt/佐野20pt+関20pt+桂17pt+斎藤慎輔15pt+工藤14pt+竹花13pt+田中13pt+武田10pt+荒井8pt+桐畑7pt+高平6pt+斎藤聡4pt+島下3pt+国沢2pt+西川2pt+佐藤1pt+EPC2pt
■コルベットに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
「自然吸気V8はちびっちゃうくらいの快感発生機だ!」佐野弘宗「イヤなことすべて忘れさせてくれるクルマです!」関耕一郎「先代モデルは自腹で買いました!」桂伸一「これぞスポーツカーの完成形!」斎藤慎輔「ハンドリングは源泉の澄んだ水の如くピュア」工藤貴宏(ENGINE2025年9・10月号)