8位はクルマ好きがこぞって推すこのクルマ。46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第8位にランクインしたのは秀逸な走行性能とそのコンパクトなボディが高く評価されたこのクルマだ!
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第8位! BMW M2 179pt
兄貴分のM3/M4を抑え、今年もBMWトップの座をゲット。秀逸な走行性能もさることながら、コンパクトなボディで多くの支持を集めた。

BMW M2クーペは2002ターボや初代M3(E30)の流れを汲む、コンパクトな正統派FRクーペとして多くの運転好きから支持されHOT8に入った。それもM3、M4を抑えてのシングル獲得に深い意味がありそうだ。
高得点は直列6気筒エンジン搭載と後輪駆動という要素が強かった。「FRの2ドア・スポーツ・セダンを基本とするBMWの“駆けぬける歓び”の伝統を、みごとに体現した1台」(村上政)なのは間違いない。「このサイズでFRで直列6気筒の無電化エンジンを搭載している時点で、もう勝ったも同然である。企画自体はもちろんそれを承認した会社も天晴れだ」(渡辺慎太郎)とBMWらしさを全面的に受け入れている。

加えてパワーアップしたエンジンの魅力も大きい。本体はM3、M4と共通のBMW M社製のS58になったので「BMW Mの末っ子と言いながら480psもあるFRスポーツモデル。振り回して遊ぶなら間違いなくNo.1」(大井貴之)と腕利きドライバーの心をくすぐっている。
「いまだに自慢の直列6気筒を積むコンパクトな後輪駆動クーペというだけで貴重」(高平高輝)という意見がBMWの直列6気筒エンジンの味を知っている人から出て当然。
「大きすぎない本格派プレミアム・スポーツクーペって、希少車種と言ってもいいくらい少なくなりましたよね」(竹岡圭)とか、「E30/E36でMの世界を知った世代にとって、M4よりM2のサイズ感が好ましい、というひとは多いのでは」(田中誠司)のようにM3、M4に対してM2のボディサイズのコンパクトさに魅力を感じている層も多い。

「M3/M4が大型&高出力化するなかで、比較的コンパクトなボディで直6エンジン+6段MTをFR駆動で味わえる。BMWの良心ともいえる貴重な存在」(藤野太一)になった。つまりボディサイズが大きく、ハイパワー化したM3、M4より、扱いやすいボディサイズとパワーでM2に軍配が上がったということだろう。
「かつてM3に惹かれた身にとって、なんてありがたく素晴らしい存在か。誇示するためのスポーツカーではなく、日常からのドライビングに感激をもたらす直6と6段MTに感謝。サイズ感と実用性にも◎です」(斎藤慎輔)と昔のM3に憧れていた人たちが、いまのM2に多くの共通項を見出しているのではないか。

その要素のひとつがMTの存在で、賞賛のコメントが多数あった。BMWを含めてMTの選択肢が少なくなっているから余計に価値が上がる。「エンジン、ハンドリング、戦闘力そして大きすぎないボディ。どれをとっても一流のスポーツカー」(工藤貴宏)であり、「BMWの真骨頂ともいうべきスポーツマインドがある」(斎藤 聡)のは間違いない。
「今や少なくなったBMWの直6で思い切り走るなら、M3やM4ではなくM2が一番だ」(村山雄哉)と迷いなく選べる存在になった。
「現愛車。少々、脚は硬いが普段使いできる車」(EPCの酒大好中毒的親爺さん)と日常使いも保証され「FRのドライビングの楽しみを味わえる典型的なクルマ」(菰田潔)としての守備範囲が広いのも嬉しい。
文=菰田潔

■BMW M2
全長×全幅×全高=4580×1885×1410mm。ホイールベース=2745mm。車両重量=1730kg。ボンネット下に収まる3.0リッター直6ツインターボは、最高出力480ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650-6130rpmを発生。後輪駆動で、6段MTと8段ATが選べる。車両価格はMT、ATともに1018万円。
■BMW M2には12人が投票!179pt/高平19pt+斎藤慎輔18pt+菰田17pt+村山17pt+田中16pt+斎藤聡15pt+藤野15pt+村上15pt+大井13pt+工藤13pt+渡辺10pt+竹岡7pt+EPC4pt
■M2に投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
「BEVはまだ買わなくていい!」高平高輝「これぞスポーツカーの完成形!」斎藤慎輔「これぞ芸術品と呼ぶに相応しい!」菰田潔「26歳が今リアルに欲しいのはこのスポーツカー!」村山雄哉「これぞクルマの模範解答!」田中誠司(ENGINE2025年9・10月号)