強敵アルピーヌA110と接戦の末、2年連続のHOT1に輝いた! 46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第1位に輝いたのは計44名もの選考委員とEPC会員に選ばれた日本の宝だ!
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第1位!! マツダ・ロードスター(RF含む) 428pt
マツダ・ロードスターが連覇を果たした。2位のアルピーヌA110とは大接戦だったという。実は私は去年までは6年連続でアルピーヌを1位に選んできたが、今年はやめた。代わりに選んだのはロードスターだ。

もちろん今でもアルピーヌが好きなことには変わりはないけれど、今回の「個人的な体験や思い入れを強く反映したパーソナル・ベスト」という選考テーマを意識した結果、軍配はロードスターに上がった。
ロードスターの魅力のひとつは、日下部保雄さんが「ライトウェイトスポーツカーのお手本」と言うとおり、その軽さにある。「1010kgのSの軽快感たるや他に比類するものがない」と本誌上田は絶賛するが、その軽快なハンドリングを「価格的には安いがサスペンション・ジオメトリーの巧みな設計によって」実現しているところが凄いと斎藤聡さんは指摘する。
思えば現行型のNDロードスターの登場は衝撃的だった。
エンジンの排気量を1.5リッターにダウンサイジングし、パワーダウンに合わせてボディもパーツ類もスリム化するという、バネ下どころかクルマの構成のすべてを軽量化のために見直した。

進化して遅くなるスポーツカーなんて聞いたことがない、と揶揄されたりもしたが、これはマツダが哲学を持ってライトウェイトスポーツカーをつくり続けるという決意のあらわれだったに違いない。
工藤貴宏さんは「世にあまたあるスポーツカーの多くはスピードを出さないと爽快感を得られないけれど、ロードスターは違う」と言う。まさにこれこそがマツダが目指そうとしているライトウェイトスポーツの原点だ。
斎藤慎輔さんは「速過ぎないからこそ奥の深いドライビング探求が可能」だと言う。そのとおりだと思う。
旧型に乗る20代の本誌村山も、「運転が上達すればするほど新たな奥深さを知ることができるのも、病みつきになる理由のひとつだ」と言い、HOT100委員になって以降、ずっとロードスターを1位に選び続けている。

実は軽さを重視しているという点ではアルピーヌも同じだ。
現行のA110がデビューしたときは、軽さにこだわった寸止めの効いたスピード感と、手の内にある操る楽しさに、これこそ僕らが待っていたスポーツカーだと興奮した。何よりも頑張れば手が届くギリギリの価格はとても魅力的だったが、A110は生き残るために速さを求め、利益率の高い高額な価格帯へと上級シフトした。アルピーヌではなくロードスターを1位にした理由はまさにここにある。
「スポーツカーが姿を消していく中、マイナーチェンジを施しまだまだ続けるというその姿勢がお見事」と高平高輝さんが言うとおり、もう手頃な値付けでスポーツカーをつくるのは難しいだろう。
だからこそ藤野太一さんは「誕生から36年目を迎えたいまもなお運転の楽しい2シーター、オープンカーをアフォーダブルな価格で提供するという志に一切のブレがない」ロードスターは世界的な名車だと最大のリスペクトを送る。
今回、多くの委員がそんなロードスターを「日本の宝」だと言った。最高にカッコいいぞ、ロードスター!
>>>HOT 20の2〜20位はこちら!<<<文=塩澤則浩 写真=神村 聖
■マツダ・ロードスター(RF含む)
全長×全幅×全高=3915×1735×1235mm。ホイールベース=2310mm。車両重量=1010kg~。フロント・ミドに搭載する1.5リッター直4は最高出力136ps/7000rpm、最大トルク152Nm/4500rpmを発生し、6段のMTもしくはATで後輪を駆動する。車両価格=293万1500円~。
■マツダ・ロードスターには44人が投票!
428pt/日下部20pt+塩澤20pt+村山20pt+工藤19pt+斎藤 聡19pt+塩見19pt+清水19pt+藤野19pt+田中18pt+上田17pt+大井17pt+斎藤慎輔17pt+高平17pt+吉田17pt+菰田16pt+村上16pt+渡辺慎太郎14pt+嶋田12pt+竹花12pt+西川10pt+竹岡6pt+山田6pt+桐畑5pt+国沢5pt+生方3pt+金子3pt+島崎3pt+関2pt+武田1pt+EPC56pt
■ロードスターに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
「このクルマは日本が世界に誇るべき名車である!」日下部保雄自動車ライターの塩澤則浩が1位に選んだ買った後も人生楽しく過ごせるスポーツカーとは?「26歳が今リアルに欲しいのはこのスポーツカー!」エンジン編集部員村山雄哉「ハンドリングは源泉の澄んだ水の如くピュア」工藤貴宏「これは「至福の時間」が味わえるスポーツカーだ!」斎藤聡(ENGINE2025年9・10月号)