2025.08.29

CARS

市販化すればあのルノー5ターボ3Eとガチンコ勝負? 800馬力の「オペル・コルサGSEヴィジョン・グランツーリスモ」が今秋登場

ルノー5ターボ3Eみたいに市販化して欲しい!

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オペルが、ハイ・パフォーマンスBEVを想定した「コルサGSEヴィジョン・グランツーリスモ」のビジュアルを公開した。

往年のマシンやコンセプトのイメージも


IAAモビリティ・ショーに出展され、2025年秋にはプレイステーション4/5の『グランツーリスモ7』でプレイも解禁されるコンセプト・モデルだ。



「コルサ」は、かつて日本でヴィータとして販売されたBセグメント・ハッチバックで、現行モデルにはBEVの「コルサ・エレクトリック」もラインナップする。



しかし今回の「GSEヴィジョン・グランツーリスモ」というコンセプトは、市販モデルに設定のない3ドア・ボディで、エクステリアもまったく異なる。

“GSE”というサブ・ネームは、オペルのスポーティ・モデルに与えられる“GS”のサフィックスに、電動であることを示すEを組み合わせたものだ。

市販車では、Cセグメントの「アストラ」に高性能PHEVの「GSe」を用意するが、今回は大文字の“E”とすることで差別化している。

フィジカルとデジタル両方でのデビューを、オペルはフィジタル・プレミアと称するが、もちろんこれは、あくまでもヴァーチャルな世界の存在。最高出力/最大トルクは800ps/800Nmで、2秒フラットという0-100km/h加速や、320km/hの最高速度といったスペックも、あくまで仮想レベルの数値だろう。

そのわりには、前後のモーターが各476ps、ブースト使用後は再チャージに80秒かかるといった、細かい設定も。ただし、バッテリーが82kWhで、車両重量が1170kgというのは、現時点で実用化されている技術では実現が難しそうだ。

とはいえ、ベースとなるプラットフォームは、オペルの属するステランティス・グループがA〜Cセグメントの量産BEVに使用するべく開発された“STLAスモール”だ。

このコンポーネンツのデザインやプロポーションの自由度を、実際に示すのも製作の狙いだという。全長は市販車のコルサと同等だが、全高は低く、全幅は大幅に拡がっている。



デザインは、大胆かつ純粋を標榜するオペルのデザイン哲学に基づく新解釈を示したもの。フロントには、オペル・バイザーこと現行車にも見られるモチーフをよりスリムにしている。



ブリッツ・エンブレムは発光式で、コンパスと呼ばれる十字のイルミネーションの中央に位置する。光のラインは、横方向は左右の3Dガラス・ブロックへ、縦方向はバンパーと空力デザインを施したボンネットへと伸びている。

同様のデザインはリアにも用いられる。縦方向のブレーキ・ライトと横方向のテール・ライトの中央には、オペルのロゴが配置された。センターのラインは室内へも続き、背骨が通ったような形状となっている。

エクステリアには、空力を高めるディテールを随所に配した。前後フェンダーにはエアロ・カーテンや、整流効果のある黒いエアロ・ブレードは、高速域でのハンドリングを向上。エアロ・ホイールも、ホイールハウス内の乱気流軽減に寄与し、アクティブ制御のディフューザーとスポイラーは、走行状況に応じてダウンフォースを増減させる。



ホイールやルーフ・スポイラー、ロールケージなどに見られる角を落とした三角形のモチーフは、往年の「マンタ400」など過去のレース・モデルにインスパイアされたもの。

空力パーツは、パール・ホワイトのボディとは対照的なイエロー、オーバーフェンダーはブラックとして強調している。タイヤはグッドイヤーで、フロントが21インチ、リアが22インチ。サスペンションには、ビルシュタインのダンパーを採用する。



コックピットは削ぎ落とされたルックスに、コンパスのデザインを組み合わせた。情報表示はヘッドアップ・ディスプレイに集約され、画面の類は設置されない。ステアリング・ホイールは、その情報の視認性を妨げない形状だ。



ブラックと鮮やかなイエローで彩られた軽量シートには、6点シートベルトを装備。死角に接近する車両をセンサーが検知した場合などには、ダッシュボードやドア・パネルに張られたファブリックが光り、ドライバーに通知する。







オペルは、欧州メーカー初のコンセプト・カーである1965年の「エクスペリメンタルGT」以来、長らくそうした実験車両を作り続けてきた。自社のモータースポーツのルーツと、売れ筋モデルのコルサとを組み合わせたこのモデルは、将来的にGSEのサブ・ブランドを冠して投入する、ハイ・パフォーマンスなスモールBEVを示唆するものでもあるという。



ますます、ブランドの日本再上陸に期待したくなるところだが、今後の進展やいかに。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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