2025.08.31

CARS

日産GT-Rはこうして生まれた! ポルシェ904を抜いた衝撃とハコスカ&ケンメリ伝説

GT-Rはスカイライン時代を含めると、3つの世代に分けることができる。

全ての画像を見る

レーシングカーのエンジンを移植

S20型エンジンはプリンス自動車が製造したレーシングカー、「プリンスR380」に搭載されていたGR8型エンジンをデチューンしたものである。S20型エンジンより以前にも「ホンダT360」や「S500」、「トヨタ2000GT」などにもDOHCエンジンは搭載されていたが、いずれも1気筒あたり2バルブ方式であった。それらに対してS20型は1気筒あたり4バルブ方式を採用しているのが最大の特徴である。1気筒あたり4バルブ方式を採用した市販4輪車はスカイラインGT-Rが初となる。

advertisement


S20型エンジンはこの4バルブ方式に加えて、3つのキャブレターを採用したのも特徴的。現代のクルマは各気筒ごとに燃料噴射装置を備えるが、当時の乗用車は多気筒エンジンであってもキャブレターは1つしか装備しないことも多かった。

S20に採用されたキャブレターは2バレル方式と言われるもので、1つのキャブレター本体に2つのバレル(空気の通路)を備える。この2バレルキャブを3つ搭載することで、各気筒にバレルを与えることを可能にした。

初期のS20は160psのハイオク仕様しかなかったが、後半になり155psのレギュラー仕様が追加されている。S20エンジンはフェアレディZ432にも搭載。ちなみ、車名の432は4バルブ、3キャブ、2(ツイン)カム(DOHC)というエンジンの特徴を表現したものだ。

3代目スカイラインGT-R

4ドア・セダンから2ドア・ハードトップへ

S20エンジンを搭載するスカイラインGT-Rは4ドア・セダンでスタートした。発表された1969年当時は2ドアのスカイラインが存在していなかったからだ。1970年に2ドア・ハードトップが登場すると、GT-Rも2ドア・ハードトップに移行。同時に4ドアGT-Rは姿を消す。

2ドア・ハードトップは4ドアに比べてホイールベースが70mm短縮され、リアに黒いFRP製オーバーフェンダーが装着されていたほか、オプションでリア・スポイラーも選べた。ハコスカGT-Rは1972年9月まで販売された。

3代目スカイラインGT-R2ドア・ハードトップ

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement