2025.09.04

CARS

F1マシンたちを従えて走るアストン・マーティン! 「ヴァンテージS」がセーフティ・カーに抜擢

F1の車列を率いるのはアストン・マーティン・ヴァンテージの“S”だ!

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アストン・マーティンの新型「ヴァンテージS」が、F1のFIAセーフティ・カーに採用され、ザントフォールト・サーキットで開催されたオランダGPでデビューした。

F1の前を走るスポーツカーにシビレる!


2021年の前期型や、2024年の後期型ヴァンテージに続いての大役就任だ。



ヴァンテージSは、最高出力/最大トルクが680ps/800Nmを発生する手組みの4リットルV8ツイン・ターボを搭載し、0-100km/hは3.4秒、最高速度は325km/hという、F1マシンの先導にも不足のないパフォーマンスの持ち主だ。



ホットVレイアウトのエンジンが発する熱を効率的に排出するため、ボンネット・ブレードがセンター寄りに移設されたのも、新型の特徴である。



セーフティ・カーには、視認性向上のためFIA規格を満たしたライト・バーをルーフ上に設置するなど、任務を果たすための改修を実施した。



さらに、安定性を高めるべく、新設計のリア・デッキ・スポイラーなどが追加され、リアのダウンフォースを増加させているが、全体的な空力バランスはフロント寄りを維持している。ターンインのレスポンスと、旋回時のグリップを重視したセッティングだ。



ボディ・カラーは、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのレーシング・マシンと同じ、ポディウム・グリーン。以前からメディカル・カーを務めているDBX 707と合わせて、英国車らしいグリーンで彩られたアストン・マーティンが、サーキットの安全を守るために活躍する。

F1でセーフティ・カーが初めて登場したのは1973年のカナダGPで、車両はポルシェ914だったが、コースインのタイミングを見誤り、むしろレース進行を妨げてしまった。それでも、セーフティ・カー運用に関するルール確定は1992年まで待つことになる。また、サーキットによっては用意された車両の性能不足により、レーシング・マシンのタイヤ温度低下やエンジン不調を引き起こすことも少なくなかった。

1996年にはメルセデス・ベンツがAMGモデルの供給を開始し、メディカル・カーともどもF1の公式車両として使用されてきたが、2021年からはアストン・マーティンとの2社態勢となっている。

フルコース・コーションでの出動が頻発するインディ500のペース・カーなどに比べれば登場機会は少なく、レース展開的にもセーフティ・カーが活躍するようなアクシデントはないに越したことはないのかもしれない。



それでも、F1マシンを従えて走る量産パフォーマンス・カーの姿を見たいと思ってしまうのは、クルマ好きの性というものだろう。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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