2025.11.01

LIFESTYLE

築55年のマンションを、モダンにリノベーション 地方出身の建築家夫婦がこの場所を選んだのは、とあるモノに近いから

空間を設計する事務所「kii」(きい)を主宰する新井里志さん(40歳)と、中富慶さん夫妻の自宅兼オフィス。シンプルで色が溢れる、個性的なインテリア。

全ての画像を見る

スタイルよりも「気持ちの良い空間」を

そうこうしているうちに空きが出たのが、南側に高い建物が建つことのない、このマンション。希望していたのは最上階で、西の角の、南、西、北の三方が窓の部屋が手に入った。55年の間に何度も住み手が変わり、その都度内装に手が入っていたため、オリジナルがどうだったかは全く分からないとか。

advertisement






部屋をスケルトンにした後、トイレや風呂以外は扉のない、大きなワンルームのような空間を作り上げたのは3年前のこと。以後、仕事用の椅子は新しいものになったが、インテリは殆ど変わっていない。建物は古いが、天井が高いうえに部屋に置かれているモノが厳選されているので、100平方メートルの数字以上に広さを感じる空間だ。




「この部屋について、色が特徴的とかミニマルだとか、よくコメントを頂きます。ですが、僕らが大切にしているのは、そうしたスタイルではなく、気持ちの良い空間を作ることです。実は目立つ造作よりも、断熱やお風呂にコストをかけているんですよ。古い家なので、断熱には特に気を遣いました。例えば、西の窓には半透明のカバーを付けたことで、夏の室温がかなり違います」





と新井さんは説明する。ちなみに事務所名の「kii」は、「なごやかに楽しむこと」という意味の古語、「熙怡」(きい)から来たものだ。

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement