世界的に高い人気を誇る高級時計「ロレックス」の歴史は1905年に始まった。スイスの高級時計として知られるロレックスだが、実は創立はイギリスだった。今回は、ロレックスの歴史やロレックスの3大発明を紹介する。
ロレックスの歴史の始まりはスイスじゃなかった?!
1905年、ロレックスの創立者であるハンス・ウイルスドルフは、24歳のときにロンドンで時計専門商社を創立した。そして、手首に着用する時計の構想を描き始めた。これが今も続くロレックスの始まりだ。

その後、時計の精度を追求するために、ムーブメントの品質向上を始め、1910年に腕時計として初めてクロノメーターの公式証明書を獲得。さらに、1914年には、イギリスのキュー天文台よりロレックスの腕時計にA級証明書が与えられた。
これら証明書は、時計の精度の高さを証明するものだ。このことからも、ロレックスがいかに時計の精度を追い求めていたのかがわかるだろう。

精度に関連する証明書を受けた5年後となる1919年、ロレックスは時計製造で世界的に有名なスイス・ジュネーブに移り、1920年にジュネーブでモントル・ロレックスS.A.として登録された。
ロレックスは、スイスに移った後も高い信頼性を備える時計の開発を続けた。そして、今の機械式時計に欠かせない3つの発明を1900年代前半に発表した。
ロレックスの歴史に欠かせない時計の3大発明とは?
ロレックスの歴史において欠かせないのが、時計の3大発明ともいわれる「防水(オイスターケース)ケース」、「自動巻きメカニズム(パーペチュアルローター)」、「瞬間日送り機構(デイトジャスト)」だ。これらの機構はいずれも1900年代前半に発表されている。
1926年に世界初の防水ケース「オイスターケース」を開発
1926年、ロレックス防水性と防塵性を備える世界初の腕時計を開発。「オイスター」と名付けられたこの時計は、完全密閉のケースを備え、ムーブメントを完璧に保護することに成功した。

ロレックスは、この防水性能を証明するために、1927年にイギリス人スイマーのメルセデス・グライツにロレックス・オイスターを着用してもらい、イギリス海峡を横断した。このとき、時計が10時間以上も水中にあったにもかかわらず完璧に動き続け、ロレックスの防水性能の高さを証明した。
1931年に自動巻きメカニズム「パーペチュアルローター」を開発
1931年、ロレックスは世界初の自動巻きメカニズム「パーペチュアルローター」を開発。現在の自動巻き腕時計に欠かせない自動巻きローター(全回転式ローター)はこのときに誕生した。
1945年に瞬間日送り機構を搭載する「デイトジャスト」が誕生
1945年、ダイアルの小窓に日付を表示する初の自動巻腕時計「デイトジャストが」誕生。瞬時に日付が切り替わるデイトジャスト機構もロレックスが開発したメカニズムだ。
高い信頼性を誇るロレックスは実際の現場で実力を証明してきた
ロレックスの創立者であるハンス・ウイルスドルフは「腕時計はエレガントであるだけでなく信頼性も兼ね備えるものになる」と予見していた。

これまでロレックスは、海峡横断チャレンジ、エベレスト登頂、大陸横断飛行、マリアナ海溝への潜水、ドライバーであるサー・マルコム・キャンベルの腕にロレックスを着用して時速300マイル(約485km/h)で走るなど、実際の現場でその信頼性を証明してきた。

1935年、スピード王者であるサー・マルコム・キャンベルは、ロレックスに「しばらくロレックスの時計を愛用しているが、かなり過酷な環境でも完璧に作動し続けている」という内容の手紙を送っている。このことからも、いかにロレックスの信頼性が高いのかがわかるだろう。
地球上のあらゆる過酷な現場で堅牢性を証明してきたロレックスは、現在もその信頼性に磨きをかけ続けている。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)