2025.10.09

CARS

【限定150台】狂気を隠し持つ最強のEクラス エディション・ナイト・カーボンという名のAMG E53に渡辺敏史が試乗!

パワートレインはドライブモード設定に応じて最大で612ps/750Nmのアウトプットを実現。車両本体価格(税込)は2075万円だ。

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「63」とは違うフィーリング

取材車はセダン100台、ステーションワゴン50台の数量限定となるエディション・ナイト・カーボンだった。要所をグロスブラックフェイシアで締めるナイトパッケージを筆頭に人気の高いコスメティックやオプション装備を一括りにした設えだが、性能的なところはカタログモデルと同じだ。

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ブラック×カーボンの内装にMBUXスーパースクリーンを搭載。

ハレではなくケ、つまりありふれた日常の中の移動という時間でも豊かなフィードバックを得ることが出来る。これは速さだけでは括れないAMGの銘柄を所有する理由足り得るものだが、その点においてE53に抜かりはない。脚周りはしっかり硬めだが突き上げ等のカドはきちんと取れていて、不快さを必要以上に感じることはない。



こういう域ではモーターでの走行が主になるが、動力性能は必要にして充分だ。日常的な走行では内燃機かモーターかという動力源の存在感も気に留まるまでもなく振る舞ってくれる。そして内燃機の出番がきたとしても、M256Mユニットは火勢もほぼ感じ取れないほど滑らかに稼働するや、モーターの瞬発力も乗って怒涛の推進力をみせる。

こと速さにおいては63で括られる過去のモデルとは実も質も異なっている。が、どーんとトルク主導で押し出される肉厚な加速感は、スポーツカーとは異なり、モータリングの全方位をカバーするというEクラスの主旨と噛み合っているのではないだろうか。直近ではAMG ONEに代表されるように、その狂気は稀に垣間見ることができるが、彼らがプロデュースする究極のEクラスは、究極にマルチパーパスなクルマでもある。そしてそれは、電動車という新たな概念が掲げられたおかげで示せた価値ではないだろうか。目につかないところでも、電気は自動車の可能性をじわじわと押し広げている。先々でそれを示す時があるならば、このクルマの存在は格好の媒体となるだろう。

文=渡辺敏史 写真=佐藤亮太

外装はナイトパッケージと鍛造21インチ・ホイールで精悍に演出。

■メルセデスAMG E 53 ハイブリッド 4MATIC+ エディション・ナイト・カーボン

駆動方式 フロント横置きエンジン+前輪駆動
全長×全幅×全高 4970×1900×1475mm
ホイールベース 2960mm
トレッド (前/後) 1492/1493mm
車両重量 2430kg
エンジン形式 直列6気筒DOHC24V+ターボ+モーター
総排気量 2996cc
最高出力(モーター) 449ps/5800-6100rpm(163ps/2400-6800rpm)
最大トルク(モーター) 560Nm/2200-5000rpm(480Nm/0-2400rpm)
トランスミッション 7段AT
サスペンション (前) 4リンク/エア
サスペンション (後) マルチリンク/エア
ブレーキ(前後) ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前後) 265/35 R21/295/30 R21
車両本体価格(税込) 2075万円

(ENGINE2025年11月号)

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