2026.03.12

CARS

「いつでも一緒にいられるスポーツカーはこれしかなかった」トロンボーン奏者、中川英二郎さんとポルシェ911カレラ

911は頑張った自分へのプレゼント、と中川さんは言う。

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黒いセダン

では、中川さんはこれまでどんなセダンを乗り継いできたのか?

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「最初は日産レパードです。フロントバンパーにウィンカーが埋め込んである2代目の後期型。これがホントによく壊れまして(笑)。10カ月でトヨタ・セルシオに乗り換えました。そのあとはBMW525iを3台乗り継いで、次はメルセデス・ベンツEクラス・セダンを4台乗り継ぎました。色は黒。同じクルマに乗り換えているから近所の人はクルマが新しくなったことに気付いていませんでしたね(笑)。いまは家族のクルマはメルセデスのGLBです」



子供の頃からクルマが好きで、10代になると自動車雑誌を読み漁っていたという中川さん。4ドア・セダンが好きになったきっかけは1970年代のアメリカ車だったそうだ。

「キャデラック・フリートウッドとかが好きだったんですけど、東京で運転するにはボディサイズが現実的じゃない。だから5シリーズやEクラスに乗っていたんでしょうね」

長野県松本まで

さて、納車から半年。中川さんにとって初めてのスポーツカー、ポルシェ911カレラの印象を聞いた。

「いやあ、面白いですよ。毎日のように走っている首都高速も一般道もこれまでとまったく違う。たとえば首都高速ではこれまで乗って来たクルマとコーナリング・スピードが全然違います。この前、長野県松本のほうで行われた演奏会に911で行ったんです。中央道を走ったんですけど、走行車線と追い越し車線で路面の荒れ方がこんなに違うのかと気付かされました。走行車線の方が荒れているんですけど、それほど路面の状況を的確に伝えてくるクルマははじめてでした」



中川さんはポルシェ911を仕事で使っているので、ひとりで運転することが多い。

「地方公演のときは飛行場の駐車場に停めて行きます。演奏を終えて飛行場の駐車場から家へ帰るときも、ただの移動じゃなくて運転を楽しめる。もっと飛ばそうかなあと思って、わざわざ遠回りすることもあります。セダンに乗っているときはそんなことはなかったですね」

ひとつだけとまどったことがあった。

「ペダルがすごくオフセットしているんです。え? これ足をどこに置けばいいの? と、とまどいました。いまはもう慣れましたけど」

ディーラーが主催したPEC東京の走行体験会にも参加した。

「スタートダッシュすると、後ろからドン! と蹴られてフロントが浮く感じというのを体験して、ああこれがポルシェ911の味かあと思いました。4000回転以上のサウンドを聞くことができたのも良かったです。ポルシェ911は初めてクルマの免許を取ったときのようなワクワク感を30年ぶりに蘇らせてくれた気がしています。本当に買って良かったと思っています」



中川さんにとってクルマとはインプットとアウトプット、両方の場だという。

「好きな音楽を聴くときもありますし、自分がレコーディングしたものをサウンド・チェックするのにも使います。現場に向かう途中でラジオ番組から情報をインプットしたり、オーディオ・ブックを聴いたりもする。雑多な情報をインプットする場所である一方、時には“そうだ! こうしよう!”という閃きがあったりする。そういう意味ではアウトプットの場所でもあります」

目的地があるわけではなく、ただ走るためだけにポルシェ911のエンジンに火を入れることもあるという中川さん。新しくやってきたスポーツカーとの対話によって、中川さんのなかにも新しい閃きが生まれ、それが音楽というカタチで結晶したら、そんな素敵なことはない。

文=荒井寿彦 写真=神村 聖



(ENGINE2025年12月号)
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