【海外初試乗】フェラーリの新型V8FRクーペ「アマルフィ」　ローマと違ったのはデザインだけじゃない！価格は3418万円から

村上政

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新型フェラーリ「アマルフィ」に、ENGINE編集部ムラカミがポルトガルで初試乗

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より分かりやすいデザインに

さて、ローマとアマルフィ、この2台のデザインを比べて、みなさんはどんな感想を持つだろうか。

個人的な好みは別にして、私はラジエターグリルがなく、バンパーにそのまま穴を穿ったようなローマのフロント・マスクのデザインは、極めてアバンギャルドなものだと感じていた。斬新で個性的である分だけアクが強く、強烈に惹かれる人もいるけれど、万人受けする分かりやすさを持ったものではなかったように思う。

それに対して、アマルフィのデザインはとても分かりやすい。昔ながらの金属製のラジエターグリルがあり、前後の大きなエアロバンパーがある。明らかに12チリンドリのデザインテイストを引き継いでおり、古き良き時代のスポーツカーの姿を想起させるような要素、たとえば力強い前後フェンダーの盛り上がりなどを見せながらも、ヘッドライトまわりの造形などにはフューチャリスティックなテイストを加えている。

そのサジ加減が絶妙で、アバンギャルドに思い切り振っていたローマのデザインに、クラシックなテイストを入れることで、より分かりやすいエレガントな2+2クーペのデザインを実現したのが、アマルフィのスタイルと言えるのではないか。

そして、それは内装も同様で、ステアリングホイール上のエンジン・スタート・スイッチがローマのタッチ式から赤いアルミ製のボタン式に先祖返りするなど、物理スイッチが大幅に復活した。それと同時に、センターコンソールはダッシュボードと完全に分離され、アルミ製の一直線のものになった。

その結果、ローマでは、それぞれが繭のように包み込まれていた運転席と助手席の間の“壁”が無くなり、昔のスポーツカーのようにセンターコンソールを挟んで隣り合わせたものとなったのだ。

今回、用意された試乗車はすべて、テーマカラーのヴェルデ・コスティエラ、すなわち、アマルフィの海の青みがかった緑をイメージした新色を纏っていた。内装色も薄いブルーだ。このクルマにピッタリのエレガントなカラーの組み合わせだ。

運転席に着いて、ドアを軽く閉じれば、あとはモーターで引き込んでくれるオートクロージャーまでもが装備されている。至れり尽くせり。ああ、フェラーリはここまで変わったのか。もはや、グランプリに勝つことこそが至上命題で、市販車をつくるのはあくまでその資金稼ぎのためと言われていた時代は遠い昔になったのだ。そんな感慨を持ちながら、試乗コースを走り始めた。

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