2026.01.14

CARS

中身は2代目ホンダNSX! でも初代NSXの面影があちこちに? NSXトリビュートbyイタルデザインの謎に迫る! 後篇【東京オートサロン2026】 

伊イタルデザインのデザイン責任者、ホアキン・ガルシア(Joaquin Garcia)さんに「ホンダNSXトリビュート・バイ・イタルデザイン」についてインタビュー!

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◆前後篇2つのインタビュー! 前篇はこちら!

新しいクルマであり、新しい解釈である

「そう、ノー・レストモッド。今回のNSXトリビュート・バイ・イタルデザインは新しいクルマであり、新しい解釈なのです。そして日本と日本のカー・カルチャーは、尽きることのないインスピレーションの源です」



初代NSXを連想させるリトラクタブル・ヘッドライトを思わせるライトのカバーや、リアのウイングと一体となり、ぐるりと一周している長方形型のスポイラーと一体になったテール・ライトはその好例だろう。



「ちょっとシリアスな話ですが、このようなわずかな台数のフュー・オフ・モデルのためにヘッドライトを新たに開発するのは、コストもかかる上に話が複雑になります。ですからライト自体はキャリー・オーバーしています。ただし非常に公道走行を重視しており、高性能で力強く、かつ象徴的なものです」





展示車両はデザインのためのモックアップ・モデルなので固定されていたようだが、会場で公開されたムービーの中では、このカバーはボンネットとの隙間にスライドして引き込まれるようになっていた!



これは現代の法規では再現できない、かつてのリトラクタブル・ヘッドライトの新たな形での復活といえるのではないか。





もういっぽうのテール・ランプの造形についてはどうだろうか? やはり、ひと目で「これはNSXだ!」と思わせてくれる仕上がりである。 

「私たちはNSXをNSXたらしめているのは何か、分析からはじめました。それを元に、自分たちなりの解釈を加えたのです。今の時代において、照明はクルマを象徴する要素です」



「そのためデイタイム・ランニング・ライトとスポイラーを1つの要素になるように組み合わせました」

近頃では背後から来るクルマがバックミラーに写ると、グリルや顔つきよりも、何よりも目立つのはデイタイム・ランニング・ライト。BMWやフォルクスワーゲンなど、アイコンとなるキドニー・グリルやエンブレムまでピカピカと光っていて、夜はまぶしいくらいだ。

けれどむしろスポーツカーは、正面の顔の印象ももちろん大切だけど、それ以上に追い抜いた後に見せる、後ろ姿も重要なのではないか。スポーツカーの後ろ姿は時にとても印象に強く残るものだし、ついその後ろ姿を見て追いかけたくなる。この新しいNSXもそうなっている、と彼に伝えてみた。

「まさにその通りです! 私もこの部分がいちばん気に入っています。とても目立ちますし、分かりやすいでしょう」



さらにガルシアさんは、これからのことも語ってくれた。

「今回のモデルはデザインのためのモックアップで、いわゆるプロトタイプではありません。次の仕事は、これを本物のクルマへと発展させていくことです。完全に走行可能な状態にね。ですからそのためのフィードバックを集めることや、市場の関心について調査することも重要です。というのも、このクルマは主に日本市場に焦点を当てているからです」



ただ、いくら日本発祥というNSXに敬意を表し、日本のマーケットにフォーカスしているとはいえ、右ハンドルのみでわずかな台数だけを造るというのは、さすがにイタルデザインでもビジネスとして難しいのではないだろうか。もっとたくさん造ったほうがいのでは? という疑問もぶつけてみた。

「ありがとう(笑)。でも我々は、これが日本のものであることを重要視しています。ただ、将来的に左ハンドルの市場が見えてきたら、問題はありませんが」

現在51歳のガルシアさん。最後にこれまで様々なクルマに影響を受けたが、中でも幼い頃に見たフェラーリ308がいちばんだった、と振り返ってくれた。レオナルド・フィオラバンティの手がけたこの跳ね馬は「とてもシンプルで、とてもキャラクタフル(特徴があります)」と目を細める。



そういわれてみれば、ノーズからフェンダー、ドアへと続くキャラクター・ラインなど、2台はちょっと似ている気もする。

インタビューの後、またひとしきり会場を回ってイタルデザインのブースを覗いてみると、小さな男の子が父親に借りたのだろう、スマートフォンを小さな指で一生懸命操作して「ホンダNSXトリビュート・バイ・イタルデザイン」の写真を撮っていた。



きっとガルシアさんが308を見た時のような思いは、こうしてここ日本で、新しい世代へと受け継がれていくのだろう。

文=上田純一郎(本誌) 写真=神村 聖/イタルデザイン/ホンダ/フェラーリ/ENGINE編集部

(ENGINE Webオリジナル)

◆前後篇2つのインタビュー! 前篇はこちら!

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