仕事の傍ら、ヘルスコーチやアスリート活動、番組MCなど、マルチな活躍を続ける大坪直哉さん。 現在所有するのはプロフェッショナルブルーのメルセデス・ベンツG 400 dと、モンブラン好きが高じて、“栗” 色のルーフと内装にしてしまったというフェラーリ・ローマ・スパイダーだ。
モンブラン号との運命的な出会い
大坪直哉さんは若き日に舞台俳優として活躍。現在はビジネスマンとしての顔をもつ傍ら、統合栄養学ヘルスコーチ、公認国際ヘルスコーチとして世界中のVIPたちのボディメイクやダイエットのサポート。さらに自身もボディメイクやHYROXなどに出場するアスリートとしても活躍するほか、東京MXテレビでの番組MC、異色なところでは日本モンブラン(ケーキの方ですよ)協会会長も務めるマルチな人だ。

「クルマは人となりを表す」と言ったら少し仰々しく聞こえるかもしれないが、そんな多芸多才の大坪さんにフェラーリ・ローマ・スパイダーとメルセデス・ベンツG400dの組み合わせはとても良く似合う。
「記事でクーペを見た瞬間に後ろから見た時のヒップの感じがセクシーで一目惚れでした。それまで2台持ちも、フェラーリを買おうとも思っていなかったけど、とにかく話を聞いてみようとディーラーに行ったんです。でも枠がいっぱいで買えなかった。そうしたら“今度出るスパイダーはいかがですか?”と言われて、待つことにしたんです」

当初は2種類用意されている白もいいと思ったそうだが、ボディカラーはコンフィギュレーターで見つけた淡いブルーメタリックのチェレステ・トレヴィに決めた。続いてルーフカラーを選ぶ際に、大坪さんはクーペを選んでいたらあり得なかった運命的な出来事に遭遇する。
「5色くらいの選択肢の中に“マロン”って色があったんです! それで内装はモンブラン・クリームのような色にしました。つまりこのクルマはモンブラン号なんですよ」
好きが高じて日本モンブラン協会の会長にまでなってしまった大坪さんに相応しいチョイスだが、他にも彼なりの拘りが込められている。

「敢えてフェンダーのフェラーリ・バッジはつけていないんです。知ってる人が見たらわかるけど他の人には“何このクルマ”ってくらいがいいかなと。だからブレーキキャリパーもガンメタリックにして、あまりフェラーリっぽくしないようにしました。でもせっかく買うなら自分がいいと思ったものを全部つけようとオプションをモリモリにしたんですよ。そしたらそのおかげで優先的に生産されたらしく、予定より早く納車されたのはラッキーでしたね」
一方、こちらも新車から乗り続けているというGクラスは2021年型。プロフェッショナルブルーが鮮やかなマヌファクトゥーア・エディションという特別仕様車である。
「この前も黒のG350dに乗っていたのですが、昔のGクラスにあった伝説のチャイナ・ブルーを復刻した限定車が出るって聞いたんです。でも46台しか入ってこなかったので枠がいっぱいで諦めていたら、数ヶ月後に“キャンセルになったのがある”って連絡がきて奥さんに相談もせず“買います!”って(笑)」
右折で人生が変わった
では大坪さんはいかにして、この理想の2台に辿り着いたのか? そのクルマ遍歴を伺ってみた。
「免許を取ったのは18歳。関西出身なんですが、最初に乗ったのは先輩から5万円で譲ってもらったホンダ・シビックSi。後部座席も外した“環状線仕様”(笑)。でもブツけられてしまい手放して、大学生時代は中古のサニー・ワゴンに乗っていました」
その後上京し、暫くクルマのない生活を送っていたが、33歳で鎌倉に自宅を建て、移住したタイミングでまたクルマを手に入れた。
「ニュー・ミニの初代のコンバーチブル。かなり爆音でハンドルも重くてまさにゴーカート・フィーリングでしたね。実はフランクフルトにいる古い友人が乗っていたんです。そこに奥さんと遊びに行った時、彼がオープンでアウトバーンを250km/hくらいでぶっ飛ばすんですよ。そしたら奥さんが“カッコいい。イイじゃない!”って。そこで気持ちが熱いうちなら買えるかもって、帰国した翌日にディーラーに行ってサインしました」
このミニには、他にもたくさんの想い出があるそうだ。
「ちょうど長女が生まれた時で、コンバーチブルだと屋根を開けて上からチャイルドシートを入れられて便利でした。そんな原体験があるのか、18歳になって免許を取れるようになった長女が、ミニ・コンバーチブルが欲しいって言っているんです。それがなんか嬉しいなって」

ミニの後は、お子さんが大きくなったのを機にレクサスIS、2人目が生まれたときにRXとライフスタイルに合わせてクルマを変えていった大坪さん。RXの次はアウディと思っていたのだが、ひょんなことで候補が変わったという。
「交差点を左に曲がればアウディだったんですが、左が混んでいたので右折してその先のヤナセに行ったんです。そしたらレクサスでうちの子供の面倒をよく見てくれたスタッフのお姉さんが転職していて再会したんです。それがきっかけで営業の方とも仲良くなってメルセデス・ベンツEクラス・ワゴン、そしてGクラスを買いました。右折したおかげで人生が変わったんです(笑)」

つまりローマとGクラスは、様々な経験を重ねた末に辿り着いた、大坪さんのライフスタイルを投影した存在といえるのかもしれない。
「まったく違うタイプのクルマというのが良いですね。Gクラスはスクエアだから運転しやすいし、ずっと形も価値も変わらない普遍性もいい。サーフィンやスノボに行くのにも使えますし、すべてがマッチしたって感じです。実は売ろうと思ったことがあるんですが、子供が気に入っていて泣いちゃってやめました。これにはしばらく乗るつもりです」
そこに加わったローマ・スパイダーは、大坪さんの人生に新たな刺激と彩りをもたらしている。
「ローマは走ることが目的の時に乗ると最高。先日、フェラーリ・レーシング・デイズに参加して富士スピードウェイを走ったのですが、狙ったラインをズバッと走れる回頭性の素晴らしさ、スパイダーなのにミシリとも言わない剛性の凄さ、250km/hでも怖くない安定感など、さすがフェラーリだなと思いました。会場では大ファンのケン奥山さんにも会えましたし、ローマを通じてフェラーリのカルチャーに触れたことで、より世界が広がった気がします」
文=藤原よしお 写真=阿部昌也 撮影協力=リビエラ逗子マリーナ
(ENGINE2026年2・3月号)