2026.03.28

LIFESTYLE

人形町に誕生、大人の食の隠れ家「フィルマメント」 和の技で進化するイタリアン、江戸情緒のモダンカウンター

「フィルマメント」料理は2万4200円のおまかせコースより。下関産トラフグのさまざまな部位とカラスミ、ペコリーノチーズ、黒胡椒を合わせた「トラフグのトンナレッリ」。手打ちパスタの色は麺に練り込まれた卵の親鶏の飼料、赤パプリカに由来。コースの品数は12皿前後。

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人形町交差点の裏手に誕生したグルメスポットには、過剰な演出を嫌い、料理の完成度そのものを愉しむ美食家好みの空気が漂う。そこで注目のお店をご紹介しよう。

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人形町といえば江戸の風情と下町の味が楽しめる町のイメージだが、2025年は名店出身の若手料理人のレストランがオープンした。老舗の暖簾と江戸っ子気質が息づく大人の街に、ほどよくモダンな風が吹き始めた印象である。

9月に誕生した1軒、「フィルマメント」は、カウンター8席のイノベーティブ・イタリアン。

店内はカウンター8席。2025年9月オープン。

「風情のある街が好きで人形町に店を構えた」という大佐古優也氏は、イタリア料理の伝統を日本料理の精神と技で革新しようとする料理人。

中目黒の名店「イカロ」でイタリア料理の基礎を学び、三ツ星店「日本料理 龍吟」で魚介の扱いを体得し、さらにラグジュアリーブランドの厨房で表現力を磨いた経験は、皿の上で過不足なく結実する。

オーナーシェフの大佐古優也氏は、元「グッチ オステリア トウキョウ」のスーシェフ。

たとえばひよこ豆のペーストを使ったイタリアの郷土料理にイカスミを練り込み、熟成アオリイカを重ねたスペシャリテのアミューズは、握り鮨を思わせる緊張感と滋味を併せ持つ。

コースの中盤に登場する定番の鰻は、炭火で焼いた皮の香ばしさと旨みに、オレガノ、ナツメグが香りを添え、酢橘の酸が後味を引き締める。

北イタリアのトレンティノ=アルト・アディジェ州の郷土料理をベースにした「トラフグのカルネサラータ」。本来は牛もも肉を熟成させる料理だが、厚く引いたトラフグを使い、岩塩、ニンニク、ローズマリーとジュニパーベリーとともに寝かせて旨みを引き出した。

3か月ごとに内容が変わるおまかせコースは、季節の移ろいと進化する食文化を味わう知的な体験。気づけば杯が進むのも無理はない。

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章

■フィルマメント

東京都中央区日本橋人形町2-7-13 レイフォリア人形町 3F 
Tel.03-6810-8668 

※価格は税・サービス料込みです。

(ENGINE2026年4月号)
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