2026.04.02

CARS

アストン・マーティン・ヴァンキッシュの四半世紀【ボンド・カーとしても活躍!】世界屈指の旗艦フロント・エンジン後輪駆動スポーツカーの25年間を振り返る

誕生から25年を迎えたアストン・マーティンのフラッグシップ「ヴァンキッシュ」!

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アストン・マーティンが「V12ヴァンキッシュ」を発表したのは、25年前の2001年3月だった。

アストン・マーティンのGTカーでもあり、旗艦スポーツカーでもある

まったく新しい車名を与えられたこの新開発モデルは、アストンにとって当時もっとも洗練され、最先端の技術を詰め込んだスポーツカーだった。



スロットルはドライブ・バイ・ワイヤで、F1スタイルのシフト・パドルを採用。先進技術を用いたシャシーは、フロアや前後バルクヘッドがアルミ押し出し材で、カーボンのトランスミッション・トンネルを中心に、接着剤とリベットで組み上げられる。インナー・ボディはサイド・セクションがコンポジット一体成形で、フロント・ウインドウ周りのピラーはカーボン。非常に強固なセーフティ・セルを構成する。

これに組み合わせるボディ・パネルはコンポジットで、搭載する新開発の6リットルV12は最高出力と最大トルクが466ps/542Nmを発揮。



こうしたスペックはもちろん、映画『007 ダイ・アナザー・デイ』で活躍したボンド・カーとしても、世界中に強い印象を残した。製造工程の管理にはコンピューターが導入されたが、これはシリコンバレーとノッティンガム大学で開発されたものだ。

2004年には527ps/578Nmに強化された「V12ヴァンキッシュS」を発表し、2007年にはトリを飾る50台限定の“アルティメット・エディション”を発売。現在のゲイドンに移転する前、本拠地だったニューポート・パグネルで製造された最後のモデルでもある。



その後、一度は「DBS」に譲った旗艦の座へ「ヴァンキッシュ」が帰還したのは2012年だ。

エクステリアは、ハイパー・カーの「One-77」が見せたアストンの新世代デザイン観を反映したものとなった。航空宇宙工学レベルのカーボンを用いたボディパネルは、「DBS」比で25%軽量だ。

6リットルV12は、スロットル・ボディの拡大やアストン初のデュアル可変バルブタイミング、新型の燃料ポンプとエアボックスなどを得て、573ps/620Nmにパワーアップ。0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は295km/hをマークした。こうした性能向上に対応し、カーボン・セラミック・ブレーキも導入している。

2シーターと2+2が設定され、荷室容量は最大368リットル。オープン・ルーフの「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」や、603psで324km/hに達する「ヴァンキッシュS」といったバリエーションも設定された。



初代から四半世紀を経た現在、フロント・エンジンのアストンの頂点は3代目となっている。現行「ヴァンキッシュ」は、835ps/1000Nmを発生する5.2リットルV12ツインターボを搭載。アストン史上最強のフラッグシップというべきものとして、2024年にデビューを飾った。

先代よりホイールベースは伸びているが、Aピラー基部から前車軸までの距離も80mm延長され、ボンネットも長くなっているため、GTスポーツらしいドラマティックなフォルムは失われていない。

0-100km/h加速は3.3秒、最高速度は345km/hと、登場時はアストン史上最強の量産車だった3代目「ヴァンキッシュ」。その生産台数は年間1000台に限定され、超高級スポーツカーの希少性を確保している。



ここ最近はF1での苦戦ぶりでその名を聞くことが多いアストンだが、それも市販車の魅力に影を落とすことはない。



途轍もないパフォーマンスを秘めていながら、高級車らしい質感や乗り味を堪能できる英国の名門ブランドを象徴するフラッグシップとして「ヴァンキッシュ」は今後も揺るぎない存在感を放ち続けるだろう。

文=関 耕一郎 写真=アストン・マーティン 編集=上田純一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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