スーパースポーツとともに花盛りだったのが、電気自動車をはじめとする電動化モデル。プレス・デイに限ってだが、アウディはすべての展示車を電動化モデルで揃え、電気を前面に押し出す力の入れ具合だった。そんな電動化モデルの主役はもちろん電気自動車。今回もアウディやプジョー、ホンダ、セアト、ポールスターが市販モデルもしくは市販前提のコンセプト・カーを出展していた。その一方で展示は地味だったが数多く見られたのがプラグイン・ハイブリッド、いわゆるPHVである。これまでPHVは日本やドイツのメーカーが中心だったが、今回のジュネーブでは新型ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)やジープ・レネゲート&コンパスなど日独以外のメーカーが増え、裾野が広がった印象を受けた。採用車種が拡大しているのは、欧州での二酸化炭素排出規制が2021年に現在の1㎞あたり130gから95gに強化されるからにほかならない。これをクリアするのはかなり厳しく、二酸化炭素の排出を抑える=燃費を向上させる策があれば電動化でも何でも取り入れて目標をクリアしたい、PHVの増加はその表れなのだ。
今回、時を同じくしてBセグメント・サイズのフランス製スモール・カーが全面変更された。その1台。プジョーの新しい車名の法則に従い、世代は新しくなったものの208の車名は変わらず。新型508と同じ新しいデザイン言語で仕立てられたスタイリングはスポーティかつ凝縮感のあるキリッとしたデザインでなかなかハンサム。全長4055×全幅1745×全高1430㎜は先代と比べると幅は同一だが、80㎜ほど長く、40㎜ほど低くなった。機能面での注目は2点。ひとつはCMPと呼ばれる308用のEMP2よりひと回り小さいサイズの新しいプラットフォームが採用されたこと。もうひとつは電気自動車の新設だ。このEVはe-208と呼ばれ、136psのモーターをフロントに積み前輪を駆動。50kWhのリチウム・イオン電池は前後席下とセンター・トンネルに収まる。航続距離は340㎞。このほかに1.2ℓ直3と1.5ℓ直4ディーゼルも選べるが、ハイブリッドの設定はない。3D表示の液晶メーターの採用もトピック。
日本ではルーテシアと呼ばれるクリオもフルモデルチェンジ。新型で5世代目を数える。先代は欧州の年間販売台数でVWポロに勝ったこともある人気モデルだけに、一瞬、マイナーチェンジなのかと錯覚するほど先代のイメージを色濃く残す。ガラリと変わった208とは対照的。一方、インパネは横基調が強まり、大型の液晶パネルがセンターに配されるなど外観よりも変化の幅は大きい。全長4050×全幅1798×全高1440㎜のボディ・サイズは先代に対し、50㎜ほど短くなったものの、逆に幅は50㎜ほど広がった。208同様、新しいプラットフォームの採用と電動化の導入が機能面での大きな進化だ。プラットフォームはCMF-Bと呼ばれるモジュラー・タイプでクリオが初採用。クリオは電動化でハイブリッドを選択。電動化ではルノーとプジョーで判断が分かれた。2モーター式のフル・ハイブリッドは1.6ℓのガソリンと組み合わされる。
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