成田から2度のトランジットを経て、長旅の末たどり着いたポルトガル・アルガルベ。BMW8シリーズ・カブリオレ国際試乗会のステージだ。朝、ホテルの入り口に並べられた中から試乗したのはM850ixDriveカブリオレ。クルマの中で、簡単にクルマの説明を受ける。クーペと同じアーキテクチャーで、最新のV8とxDriveを搭載し、空気バネではなく金属バネのサスペンションを備え、4輪操舵を装備する。ソフトトップはロールスロイスと同じコンセプトで作られ、クーペ並みの静粛性を確保している、などなど。

そして、さっそくドライブに出かけたが、このホテルはエントランスからゲートまで石畳の長い直線路となっている。つまり、走り出してほんの数秒後に容赦ない路面からの入力を受けるわけだが、すでにここで私は瞬殺された。〝M〟が付くからそれなりにスパルタンな性格と思いきや、ゴトゴトな路面なのに、まったく角のないまぁるい当たりでしなやかな乗り心地なのだ。タイヤは20インチのポテンザS007を装着。Mモデルなのでランフラットではなく、それもマイルドさに貢献している。そして、ボディもブルッともせず、クーペさながらのビシッとした剛性感を保つ。敷地内だからかなりゆっくりのスピードだが、微妙なアクセル操作にも素直に反応し、強大なトルクを持ち合わせるのにそれを誇示するでもなく、扱いやすい。
おそらく、4シーター・カブリオレ乗りは2シーターほどストイックにオープンにこだわらない。つまり、クローズドで走ることも多いのだが、この静粛性にも度肝を抜かれた。ソフトトップ特有の音もない。一方、オープンで100㎞/h走行時でも、ディフレクターを使えば風の巻き込みもないし、パッセンジャー・シートの人と普通に会話ができる。
ワインディングではトップを開けても閉めても気持ち良く走れ、Mらしい凝縮感のあるハンドリングも健在。ドライブモードを〝スポーツ+〟にしても、乗り心地への好印象が覆されることはなく、ますます惚れてしまった。
従来、上質ではあるが色気や遊び心といったものを感じなかったインテリアも、シフトノブにスワロフスキーのクリスタルが使われていたり、ラグジュアリーで居心地が良い。久々に、ホンキで欲しいと思わせるクルマに出会ってしまった。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2025.12.05
CARS
いよいよ「GR GT」と「GR GT 3」、そして「レクサス・スポ…
2025.12.05
WATCHES
スイスで雪が降る日に販売される?!ホワイトケースになったムーンスウ…
2025.10.12
CARS
【12/10(水)しめきり迫る!】 『エンジン・プレミアム・クラブ…
2025.11.29
CARS
まるで生き物のようなV12エンジンの息吹を全身で味わう!日本上陸し…
PR | 2025.11.27
CARS
カングー乗りの人間国宝、林曉さん 漆工芸とカングーには、いったいど…
PR | 2025.11.26
CARS
人生初のテールスライドに大興奮!GRとエンジンがコラボした新・運転…
advertisement
2025.12.03
クルマ好きお父さんの理想形!総合18位に選ばれた誰もが一度は憧れる高性能サルーンとは【2025年買いたいクルマBEST 20】
2025.12.02
色褪せない自然吸気フラット6と6段MT!藤原よしお(自動車評論家)が1位に選ぶ心情的スポーツカーの雄とは
2025.12.03
人生の最後に選ぶ1台はこれだ!エンジン編集部の村上政が1位に選んだ唯一無二の乗り味のクルマとは
2025.12.01
志に一切のブレがない世界的名車!藤野太一(自動車評論家)が2位に選んだ国産スポーツカーとは
2025.12.05
「販売終了になる前にオーダーすることを強く推奨by国沢光宏」総合16位にランクインしたスポーツモデルとは【2025年買いたいクルマBEST 20】