2019.08.11

LIFESTYLE

最近よく目にする古びた昭和の中古住宅は、リノベーションでどう生まれ変わったのか? ビンテージ好きな施主と建築家が挑んだ「狭小昭和住宅」の夢の再生プロジェクト!

昭和の狭小住宅がセンスのいいミッドセンチュリーの空間に!

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、中古住宅を購入して、リノベーションで理想の暮らしを実現した古くて新しい家。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

昭和の中古住宅をリノベーション

ミッドセンチュリーの家具や照明が趣味良く並ぶ東京都大田区の新井邸。ビンテージ品の持つ雰囲気が、独特の空気を作り出している。なかには、「どこで手に入れたのだろうと気になる珍しいものも。こうしたお宅はめったにない。



愛車も、マセラティ・ギブリ(1996年製)と、ちょっと古いクルマだ。ここでセンス良く暮らしているのは、美大を出て広告代理店に勤務する新井智士さん(37歳)と、美大出の元デザイナーで、現在は自宅をアトリエにしているアーティストの愛さん夫婦。

そして7歳になる長男と、生まれたばかりのお嬢さん、10歳になる猫も一緒だ。

インテリアがレトロなので気付き難いが、家の外観も年代を感じさせるものである。「実はこの家、私たちとほぼ同じ年齢なんです」と新井さん。そう、この家は最近多い、リノベーションされた住宅である。設計を手掛けたのは、建築家の石川素樹さん。

石川さんも美大の卒業で、古くから新井さんと親交が。二人は年齢が近いうえ、古い家具と古いクルマが好き。最近は少数派となったスモーカーという共通点も。この家は、そんな二人が密な打ち合わせを重ねた結果生まれたものだ。

新井さん夫婦がここで暮らし始めたのは10年前のこと。共稼ぎの若い夫婦が都心で手に入れた住宅は、延床面積が1、2階合わせて60平方メートルの可愛いサイズ。しかも面積いっぱいのため、新築で一から建て直しても広くすることはできないという問題が。

そこで既存の家をできるだけ利用し、外観にはあまり手を付けないリノベーションが行われた。



新井邸は、もともと今のようなレトロな雰囲気の家で、穏やかに歳月を重ねてきたように見えるが、それは大間違いだ。改装前は、どこにでもあるような昭和の住宅だった。

新井さんは家具や照明を探すのが好きで、ネットだけでなく、自らの脚を使って魅力的な調度品を探し出して入手。それがマッチするお洒落な空間を、石川さんが作り上げていった。

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