2019.09.25

LIFESTYLE

マセラティが集まる森!? イタ車仲間が集う別荘の物語

東京で忙しく働いている開業医の小暮仁さんは大の“シャマル好き”だ。そんな小暮さんの軽井沢の別荘に、いつしかマセラティの仲間たちが集まりだした。雑誌『エンジン』の人気連載、「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回はマセラティ・オーナーたちが集まる別荘を取材。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

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別荘でオーナーを待つ2台のマセラティ・シャマル

木々に囲まれた、軽井沢の静かなエリアに建つこの別荘。東京で開業医をしている小暮仁さん(52歳)は、ほとんどの週末をここで過ごしている。月曜日の朝早くから土曜日の昼まで忙しく働く建て主は、「仕事を忘れてリフレッシュするここが本宅のようなものです。平日は東京に働きに出ている感じです」と話す。

写真は、3年前に増築された東南部の別館。2台のマセラティ・シャマルが見えるようにと、ガレージ前面の引き戸はガラス張りに。クルマは、庭側から停める構造だ。

そんな小暮さんにとって、「クルマは数少ない趣味」だ。庭に面した、ガラスの引き戸の奥のガレージには、2台のマセラティ・シャマルが納まっている。シャマルは、マセラティ・ビトゥルボ系のクルマの中でも、最もスポーティに仕上げられた特別なモデルで、1989年から数年の間に360台ほどしか生産されていない。しかも小暮さんの黒いボディーカラーの1台は、サーキットを走るために念入りにチューンナップされたもの。富士スピードウェイで1分56秒台のラップを出したこともあるというのだから、とんでもないマシーンだ。もちろん、こんなジャジャ馬を操る小暮さんの腕も、相当なものである。

『サーキットの狼』世代の小暮さんは、子供の頃からクルマに興味が。そして雑誌で目にしたシャマルに関心を持つ。まだ学生だった頃、ディーラー車を助手席で体験し、圧倒的な加速とエンジン音にノックアウト。

「医師になって、シャマルに乗るために必死に働きました。頭金くらいの額が貯まってからは、中古でしか手に入らなくなったシャマルを随分と探したものです。ようやく手に入れたのが黒いシャマルです。嬉しかったですね。ところが忙しくて、なかなか乗れずに。仕事が終わった夜遅くに、停めてあるタワーパーキングを訪れ、キャリアに乗ったままの姿を眺めたり、頬ずりしたのを覚えています」

ところがそんな愛車を、2年で廃車にしてしまう。

「彼女ができて、小雨が降っているのに、ちょっといいところを見せようとしてスピンし、首都高で左右の壁に何度もぶつかって……」

幸い怪我はなく、その後2人は結婚。もちろん、新婚旅行はイタリアで、名車を訪ねる旅。今も仲良く暮らしている。

もっともシャマルを失った当時の落ち込みぶりはひどく、「元気のない様子に周囲が気付くのはもちろん、自分でも自覚するほどだった」。そこでかつて助手席を体験したディーラーに連絡すると、ちょうど黒、赤、紺の3台のシャマルをイタリアから仕入れたばかりとのこと。黒と赤が通常のボディーカラーだが、紺はオーダーされた特別色のモデルだ。

「黒か紺で迷いましたが、最初に買ったのと同じ、黒にしました」

この部屋の家具や木製のタイヤ・シェルフなどは、軽井沢で知り合った木工作家が手がけた。ガレージとの間にはガラスの引き戸が。天井は低いが、落ち着く空間である。

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