レクサスRXが自動車業界にもたらした功績は大きい。なにしろ、オンロードに主軸を置いたプレミアムSUVというジャンルを確立したのは何を隠そうこのRXなのだから。
もちろんRXの登場以前にもレンジローバーやジープ・ワゴニアといったラグジュアリー志向のSUVは存在していた。
しかし、どれもオフロード・モデルがベースで、悪路が主体とまでは行かないものの、オンロードだけでなくオフロードもしっかり走れる性能を有する一方、乗用車のように快適とまではいかなかった。ところがである。
RXは乗用車プラットフォームを用いていることもあって、用途をオンロードに特化。オフローダー・テイストを持つ背の高い豪華な乗用車として仕立ててきた。
そのコンセプトが受け入れられて大ヒット。RXが登場しなかったらカイエンもウルスも生まれなかったとまでは言わないものの、SUVブームの到来が10年以上遅れていた可能性は十分に考えられる。
今回試乗したのはスポーツ仕立てのFスポーツと3列シートのロング・ボディを持つLの2台。どちらも3.5ℓV6 にモーターを加えたハイブリッドのRX450hだったが、共に快適性に優れているのに驚いた。
できるだけエンジンを動かさずに走ろうとするハイブ リッドのおかげで音自体がかなり抑えられているうえに、遮音性能が高いためパワートレイン以外の雑音もしっかりシャット・ダウン。
その相乗効果により室内は高級サルーンのように静か。マークレビンソン製のオーディオを存分に楽しめる環境が整えられている。
また乗り味もいい。動き始めの抵抗を低減した新しいダンパーの採用やボディとサスペンションの剛性を向上させた効果か、脚の動きが滑らかになった。
従来モデルではスプリング自体は柔らかいのに大きな力が加わると突っ張ったような印象を受けたが、新型ではどのような状況下でも動き始めからバンプラバーに当たるまでキレイに上下する。
それは硬めの脚を持つFスポーツでも同じ。Fスポーツにはさらにアクティブ・スタ ビライザーが備わっているのだが、このおかげでスムー ズな脚の動きはそのままにロール量が減少。そのため、コーナーの続く山道では標準仕様よりもむしろ快適だった。
オフロードは走らないけど、SUVのカッコよさや実用性の高さは欲しい。そんなユーザーの心に見事刺さったレクサスRX。4代目になった今もその思いに十分応えるクルマになっている。
いや、むしろ今回のマイナーチェ ンジで魅力はさらに高まったと言えるだろう。
文=新井一樹(ENGINE本誌) 写真=望月浩彦
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