2020.02.24

LIFESTYLE

こんなに楽しい空間の使い方があったとは! バス通りに面した三角敷地に建つ和モダン住宅のすごいアイディア!!

北側のバス通りから見た家の外観。設計は建築家、岸本和彦氏。

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さて、二人のお子さんの将来を考え、齋尾さんが土地を取得したのは、都会にも近いが自然もあり、たまに夫婦でお洒落な店にも出かけることができる鎌倉の地。好みの和風の家を建てるべく、ネットで建築家を探し、実際に会って話を聞いたうえで、最も共感を覚えたのが、acaa建築研究所を主宰する岸本和彦さんだった。岸本さんの発想は、建築界の主流となるモダンな合理主義とは正反対のもの。和を意識しているが、伝統的な日本の建築様式そのものではなく、環境と人間の行動を考慮したものだ。勿論、この建築家がBMW2002に乗っている事も、安心して設計を依頼した理由のひとつだろう。

さて、齋尾さんが希望したのは、一生住むことができる、2台のワーゲンが屋内から見える家。ところがこの家は、リビングの巨大なガラス越しに車庫が眺められる、世に多いガレージハウスとは異なるものだ。岸本さんのポリシーは、「多くの人は家造りの知識を、量産住宅を手掛けるメーカー等から得ているので、要望を言葉通りに捉えるのではなく」、プロとしてより建て主の理想に近づく提案を行うこと。齋尾邸の場合、「北側のバス通りと南側の緑道に挟まれた三角形の敷地であることから、この家の間取りの多くが決まった」

日本建築の発想を導入

例えば一階の東側は、畳が3枚敷かれた部屋である。和室の多くは、年に数回しかない来客用となることが多いが、齋尾家ではこの部屋をテレビルームとして毎日使用している。ひとつの部屋を、複数の目的で利用するのは、日本の家の大きな特徴だ。しかもこの部屋の畳に座れば、低い位置にあるガラス窓越しに、車庫に停まる2台のワーゲンが見えるのである。このような方法で、建築家は建て主の希望を実現させた。一方、玄関から一階に上がって右手に曲がれば、黒い杉板で囲われたキッチンの前に出る。齋尾さんの奥様は「オーダーで家を作るのだから、大きなキッチンに憧れたが、岸本さんが薦める必要にして十分なキッチンにして、結果的に大成功。緑道が眺められるのも気持ちよい」と話す。しかも、帰宅した誰もがキッチンの前を通る動線である。このように、料理をしているお母さんが家の中の気配を感じられる間取りとしたのは、建築家の配慮に他ならない。

ここが齋尾邸のハイライトとなる、縁側のような「下の間」。黒い杉板が張られた部分がキッチンで、ここからも緑道の木々が見える。



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