2020.02.24

LIFESTYLE

こんなに楽しい空間の使い方があったとは! バス通りに面した三角敷地に建つ和モダン住宅のすごいアイディア!!

北側のバス通りから見た家の外観。設計は建築家、岸本和彦氏。

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キッチンの先にあるのが、階段状のダイニング・スペースである。階段の一部はテーブル用のベンチの役割を果たすが、殆どは特段用途の無い二階への大階段だ。齋尾さんが昼寝をすることもあれば、お子さんが友達と大騒ぎをする場所でもある。人が集まる、家の中心となる空間だ。さらにキッチン前からこのスペースまで、窓の下端が床から30cmほど上がっており、腰かけられるようになっている。ここに座れば、子供は料理をする母親と話ができるのだ。しかも窓を開ければ、同じ高さで外部のテラスへつながる構造である。家の内と外とが曖昧なところは、日本建築の特徴のひとつ。この現代の縁側のような場所を、建築家は廊下でなく、「下の間」と呼んでいる。

齋尾さんのお宅は、実にユニークな住宅だが、腰かけていると妙に落ち着く、不思議な魅力を持っていた。おそらく、スペースのサイズが絶妙なのだろう。日本的発想に則った建築でありながら、ヴィンテージ・ワーゲンとの暮らしも、自然で素敵に思えた。この何にも似ていない家で、これから沢山の楽しいことが起こるに違いない。

文=ジョー スズキ 写真=山下亮一

ダイニングは、吹き抜けとなった階段状の空間。ここから2階に上がると、西側には「勉強の間」が。齋尾さんの書斎でもあり、お子さんがピアノを練習するスペースでもある。



■建築家:岸本和彦 1968年鳥取県生まれ。早稲田大学大学院修了。設計事務所を経て、1998年に独立。西洋的な合理主義とは対極にある、日本の伝統的な住まい方の発想を応用した、「和」の住宅理論には定評がある。写真は、外観が和風なだけでなく、巣のように籠れる場所が何カ所もある住宅。BMW2002と、94年の新車時から乗り続けているフィアット・パンダの2台持ち。

■お知らせ:雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス」の取材・コーディネートを担当しているデザイン・プロデューサーのジョースズキさんのYouTubeチャンネル「東京上手」がスタート。第1回配信は、エンジンでも紹介したことのある国際的建築家、窪田勝文さん設計の山口県のミニマリスティックな住宅。必見です!

(ENGINE2018年2月号)

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