あらためてクルマとともに過ごしてきた来し方を振り返り、クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて、じっくりと考えてみるスペシャル企画「わが人生のクルマのクルマ」。自動車ジャーナリストの金子浩久さんが選んだのは、「トヨタ・カルディナ」だ。今世界中が注目しているロシアによるウクライナ侵攻。金子さんはかつて、まさにそれらの地をトヨタのカルディナで走った。その記録、『ユーラシア横断1万5000キロ』も必読です。
冒険はいまも続いている
わが人生のクルマのクルマは、1996年型トヨタ・カルディナ1.8CZです。
東京から運転して、ユーラシア大陸を横断したクルマです。2003年に中古車情報誌に37万円で売りに出ていた7年落ち。富山県伏木港から一緒にフェリーに乗り、ウラジオストク港からロシアをひたすら西に進み、ヨーロッパを南下してユーラシア最西端の地ポルトガル・ロカ岬まで2か月1万5000km。
自分のクルマを運転してヨーロッパに行くのは長年の夢でしたから、格別のクルマです。同じような旅をもう一度行ったとしても、“初めて行ったクルマ”として、このカルディナに寄せる想いは今後も変わらないでしょう。では、なぜ、カルディナなどを選んだのでしょうか?
ユーラシア大陸を横断するとしても、ドイツ以西のヨーロッパ圏内はそれまで散々と走ったことがありますが、ロシアやベラルーシ、ポーランドなどは未経験です。特にウラル山脈以東のロシアの道路状況と交通環境に関する情報が準備中を通してほとんど得られませんでした。グーグルアースなんて、もちろんまだありません。対応が冷たかった狸穴のロシア大使館、怪しげな商社、モスクワの事情しか知らないことを恐縮していた留学生など。
過酷なのであろうシベリアの悪路に万全に備えるためには、トヨタ・ランドクルーザーやランドローバー・ディスカバリーのようなローレンジ・モードを使える副変速機を備えたヘビーデューティSUVしかないだろう。でも、それらは大きく重く、燃費も良くない。ガソリンスタンドがどれだけの間隔で設けられているかもわからないから、燃費は重視したい。悪路走破能力と燃費を秤に掛けて、ずいぶんと考えました。
▶「わが人生のクルマのクルマ」の記事をもっと見る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2025.01.24
CARS
42台のそれぞれのディスカバリー物語【誕生35周年企画「私のディス…
2025.01.25
LIFESTYLE
まるで南国リゾートのような家 東京の自宅の隣にローコストで別荘を建…
PR | 2025.01.16
CARS
一歩足を踏み入れるとそこはパリ? 新しくなったルノー練馬・アルピー…
2025.01.20
LIFESTYLE
オリジナルプリントは必見! フォトグラファー・秦 淳司さんによる、…
2024.12.30
CARS
【海外試乗】蘇ったルノー5ターボ! EVだけど、これは乗ってみたい…
PR | 2024.12.24
CARS
「ベビーカーの頃からガタガタ道が好きでした」父から受け継いだ初代に…
advertisement
2025.01.31
瞬時で受注停止か 庶民のGクラス、待望のスズキ・ジムニーの5ドア、ノマド登場
2025.02.01
なぜ、ジムニー・ノマドは日本発売まで7年も掛ったのか? そこにはお客様を大切にするスズキの姿勢が見え隠れする
2025.01.27
「最初は実感が湧かなくて、マジで俺のクルマかよ!?って感じでした(笑)」 若くしてポルシェ911カレラを買ったオーナー 嬉しさのあまり毎日乗ってます
2025.02.02
特許取得、世界初のアースフェイズ機構 エンジン時計ジャーナリスト、数藤健のイチオシは、ムーンスウォッチ
2025.02.01
エンジン編集部のポルシェにトラブル発生 ボクスターを襲った異変に続き、911までダウン【エンジン編集部長期リポート 79号車 ポルシェ911カレラ4S(996型)#71】