2020.08.29

LIFESTYLE

室内が想像できない! 都市空間に突如として現れた空中庭園? 建築家の「代表作になるような」という施主の注文から生まれた驚きのツリーハウス

豊島区の一角に突如として現れた不思議なビル。そこは未来の都市住宅か、それとも空中にできた庭園か?

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、豊島区の一角に突如として現れた不思議なビル。そこは未来の都市住宅か、それとも空中にできた庭園か。見ているだけでも楽しくなる。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。
街の中に実在する建物

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都市空間に突如現れた、まるで想像上の空中庭園のようなこの建物。写真ではなく、本当はCGなのでは。多くの人が、そう思うかもしれない。たしかに現実離れしているが、実存する建物である。これは世界的に知られるアート・ギャラリーを運営するTさん(55歳)が、東京の豊島区に建てた家だ。より正確に言うと、Tさん家族は3~5階で暮らしていて、低層階は別の人たちにギャラリーなどとして貸している、5階建ての複合ビルである。

東京都豊島区の、住宅密集地に建つT邸。外観は、幾つものコンクリート製の大きな箱と、17個の白いヒダ、植物で構成される。屋上にも庭園が。建物は大きく見えるが、敷地は約140m2。隣家が迫っている環境にあって、低層部では、南側以外に窓は無い。また上層階では、ヒダや植物がよい目隠しになっている。

多くの人が想像する家やビルとは、相当にかけ離れたT邸を設計したのは平田晃久さん。太田市美術館・図書館などの話題の建物を手掛け、次世代を担う存在として注目されている若手建築家だ。Tさんは、自身のギャラリーが発行する雑誌でインタビューし、平田さんに興味を持ったのはかなり昔のこと。家の設計を依頼したのも10年前だが、3.11などで計画が保留になった時期もあり、家が完成したのは一昨年。当初は、賃貸住宅のある8階建ての案もあったという。

そもそもTさんはこの地区で生まれ、高校まで過ごした。そしてカリフォルニアの大学でアートを学び、しばらく働いた後に帰国。ギャラリーを開いたのが、この家が建っている場所だ。間口が狭く奥に長い約140m2の土地に、1階がギャラリーで、その上の階に住む、職住近接の建物を作った。仕事は順調に発展し、ほどなくギャラリーは別の大き場所に移転。この場所に住みながら、1階スペースはスタッフが独立した際に貸し出していた。そんな自邸も、築30年となると様々な不具合が生じ、建て替えとなったのである。

通りに面した北側も、2階までは窓が無い。クルマの奥には、T邸への入り口と、Tさんの下で働いていた元スタッフが運営しているギャラリーのMISAKO&ROSENが。

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