2020.12.05

CARS

ついに上陸した2台のポルシェ・タイカン、4Sとターボに国内初試乗 これは未来の911か!

いよいよ日本へやって来たポルシェ・タイカンを東京近郊とサーキットを舞台に、4人の編集部員が試乗した。まったく新しいフルEVであるタイカンに、何を思ったのか。


村上 発表から1年2カ月。ようやくポルシェ初のフル電動4ドア・スポーツカー、タイカンに日本で乗る機会が訪れた。はっきり言って、これはポルシェ新時代の幕開けだ。


上田 変わるもの、変わらないものでいえば前者の筆頭、代名詞。


村上 いやいや、変わらないものもタイカンには含まれているかもよ。


上田 試乗車は中間グレードの“ターボ”とエントリー・グレードの“4S”。とはいえ当然ターボチャージャーはなく、両者前後に2つモーターのある4WDです。さらに日本仕様は上位の“ターボS”もあります。


村上 ターボSとターボはバッテリー容量は同じでも最高出力が違う。4Sは容量も最高出力も低い。


塩澤 じゃ、航続距離も違うの?


村上 だけど、今回の4Sには約100万円のオプションの“パフォーマンス・バッテリー・プラス”が付いていて、2台の容量は同じ。だから航続距離は逆に最高出力の低い4Sの方が長いかもね。足まわりもターボは20インチが標準だけど21インチに、4Sも19インチが標準のところ20インチだったりで、そもそもの状態がどうなのか、わかりにくい。でも、タイカンとは何か、ということはいずれにしても分かったと思う。


荒井 ボクはまず最初に、パナメーラよりかっこいいと思った。あと、やっぱりポルシェだなぁ、と思ったのはCピラーのライン。


村上 いわゆるフライ・ラインね。ポルシェのお約束の。


インテリアの基本的な造形は従来のポルシェのイメージを踏襲。

荒井 あとはありきたりだけど、むちゃくちゃ速い。フルスロットルだと胃が下がっていくような感覚。それと、目地段差を越えた時とかのボディのしっかり感やガチッとした硬質感は、いかにもポルシェだと思った。サーキットもけっこう楽しい。本当に扱いやすくて。あれだけのサイズなのにクルマが小さく感じる。そこがスポーツカーなんだなって。走り終わっても、もう1周したくなる。


塩澤 いやもう驚きました。最初はターボに乗ったんだけど「高級車だなぁ」って言葉が思わず出た。


村上 高級車と感じた理由は?


塩澤 乗り味だね。硬いけど乗り心地がいい。おもいっきりアクセレレーターを踏んだらあまりのパワーで、いやいや、すっごいスポーツカーだ! って思った。


村上 スポーツカーと感じた理由は? 速さはもちろん分かるけど。


塩澤 低重心でロールをあまりしないところ。あとは視線の低さ。そういうところはスポーツカー的だよ。


上田 操作感覚がリニアでスポーティなところと、全体の統一感がすごくポルシェっぽい。座った時に見える視界もそう。ステアリングとメーター・フードと、先に見えるフェンダーの嶺とか。でも、単純な速さに関しては一般道を走っている範囲では確かに速いけど、テスラのような異次元感覚じゃないと思った。これまでのポルシェの範疇にいる感じとでもいったらいいのかな。


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話す人=村上 政(ENGINE編集長)+塩澤則浩+荒井寿彦+上田純一郎(すべてENGINE編集部、まとめも) 写真=神村 聖

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