2021.05.29

CARS

「特別EV対談」アウディ、ポルシェ、そしてメルセデス・ベンツ! 超魅力的な電気自動車が欧州メーカーから続々登場!!

アウディA6 eトロン・コンセプト

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一番の注目はアウディとポルシェ

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島下 僕は上海モーターショーでデビューした、PPEを採用したアウディのA6 e-トロン・コンセプトに注目かな。あれもホイールベースがぐっと長くて、それでいてめちゃくちゃ低くてカッコイイ。

清水 PPEっていうのはアウディとポルシェのBEV専用プラットフォームのことだね。

——プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック。アウディがまず先行して、A6 e-トロン・コンセプトを出したんですよね。

アウディA6 e-tronアウディA6 e-tronコンセプトアウディA6 e-トロン・コンセプト

島下 ただ、実際の市場への投入はセダンのA6 e-トロンではなく、SUVのQ6 e-トロンが先になるって明言していますけどね。僕らが感じているのと同じように、まずカッコいいヤツを先に出すということだと思いますね。

清水 そのQ6 e-トロンのポルシェ版がBEVの次期マカンになるわけだ。

ポルシェ・マカン・プロトタイプポルシェ・マカン・プロトタイプ

——おー! ずっと噂されていたマカンEVがついに出る!! でも今後、マカン以外のほかのポルシェはどうなるんでしょうか?

清水 先日アウディRS GT e-トロンに試乗したんだけど、これはポルシェ・タイカンと同じJ1っていうプラットフォームを使っている。一番パフォーマンスに振ったヤツだね。真ん中がPPE。そしてその下に位置するのがMEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・プラットフォームの独語イニシャル)で、ID.3とQ4 e-トロンになる。フォルクワーゲン・アウディ・グループはBEVのフルラインナップ体制を構築することになる。本気度がすごいよ。でももっとすごいのは、当然この流れにポルシェも続くことになるわけで、あのポルシェがついに内燃エンジンを捨てることになるとしたら、これは大事件だよ!!

島下 もう、次のパナメーラもカイエンも全部BEVだ、って役員がしゃべったそうですよ。

アウディQ4 e-tronコンセプトアウディQ4 e-トロン

ポルシェ・タイカンポルシェ・タイカン

——そうなると911はどうなるんですか?

島下 911は最後まで内燃エンジンを残すそうです。ただ、燃料はガソリンじゃなく、e-フューエルっていう次世代の合成燃料。パタゴニアでドイツ企業のシーメンスと組んで風力発電をして、その再生可能エネルギー由来の電力でCO2フリーのグリーン水素をつくり、二酸化炭素と組み合わせて合成メタノールをつくる。

清水 992(現行型911)の国際試乗会のときに聞いたよ。「最後の内燃エンジン車は911だ」って。みんながやめても、911は内燃エンジンでいく。いわば911は絶滅しない危惧種になるのかな?

島下 ポルシェが想定するe-フューエルは、2022年の生産コストは1リッターあたり10ドルですけど、量産がスタートする2026〜27年には1リッターあたり2ドルが視野に入るんだそうです。今の欧州市場のハイオク・ガソリンくらいなら、十分いけそうですね。

清水 ポルシェも基本BEVで行く。だけど、911というレガシーのあるものは内燃エンジンも残す。ただ、すごくスモール・ボリュームだけどね。

島下 2割以下という話でしたね。

——う〜ん、なるほど。でも911はなくならない。シンボルとして残すわけですね。

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語る人=清水和夫/島下泰久/塩澤則浩(エンジン編集部) まとめ=上田純一郎(エンジン編集部) 人物写真=鈴木勝

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