2021.06.27

CARS

ローマとポルフィ―ノMに乗って、GTカーとしてのフェラーリを考えてみる

2019年11月にその名の通りローマでお披露目されたまったく新しいクーペ“ローマ”と、ポルトフィーノを大幅にモディファイして昨年9月にデビューした“ポルトフィーノM”。フェラーリにはリアル・スポーツカーとは違う、もうひとつのGTカーの世界がある。

リアル・スポーツとGT

フェラーリのロード・カーには、大きくふたつの流れがある。ひとつは、F1を頂点とするレース・フィールドに技術的にも精神的にも直結する2シーターのリアル・スポーツカー。そしてもうひとつは、シックなスタイルを身上とし、時にはパートナーと街中を流したり、あるいは家族とともにどこまでも遠くへ旅するのに最適な2+2のGTカーだ。現在のラインナップで言うと、812スーパーファストやF8トリブートが前者に、GTC4ルッソや今回取り上げる2台の新着フェラーリ、すなわちローマやポルトフィーノMが後者にあたる。

実は、フェラーリのプレス向け国際試乗会も、このふたつでは使われる舞台がハッキリと分けられていて、リアル・スポーツカーの時にはフェラーリF1の聖地、フィオラノのサーキットを走るプログラムが用意されているのが通例だ。クローズド・コースで限界付近まで性能を思う存分試した上で、マラネロ周辺の市街地から山岳路へと繰り出していく。



一方、GTカーの試乗会には、フェラーリの本拠地を離れて、そこにいるだけで旅の気分を満喫できるような、風光明媚なロケーションが選ばれる。たとえば、今回フェイスリフトしてMがつく前のポルトフィーノの時には、南イタリアのアドリア海に面した保養地バーリ近郊で開かれたし、その前にGTC4ルッソにV8後輪駆動のTが加わった時には、イタリア中部トスカーナ地方シエナ近郊の、これまた山と海を合わせて楽しむことができる素晴らしいコースが用意されていた。



ちなみに、2020年の初夏に開かれる予定だったローマの試乗会は、その名の通りローマを起点として、いにしえのローマ街道のいずれかを駆け抜ける、とっておきのコースが用意されていたらしいのだけれど、コロナ禍のために流れてしまったことが返す返すも残念でならない。いったい、フェラーリの新しい時代を切り開くGTカーたるローマで、かつて多くの旅人たちが世界の中心たるローマの都を目指した、まさに“すべての道はローマに通ず”と言われたその街道を走ったらどんな気分になっただろうか。私の頭の中で想像の翼が拡がっていく。

ローマのフロント・マスクを特徴づけるのは、低く突き出したノーズと、その先端に付けられたパーフォレート加工によって穿たれた穴を持つフロント・グリルだ。サイドに跳ね馬の楯を持たないのもポイント。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

PICK UP



RELATED