2021.06.27

LIFESTYLE

フレンチで満喫する日本酒とのペアリング! 古民家をリノベーションした神楽坂「HASABON」

飲食店受難のこの時代に、ひっそりとオープンして頑張っている注目のお店を紹介しよう。

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和と洋の垣根を作らない

神楽坂の路地裏に昨春オープンした「HASABON」は、1950年代に建てられた古民家をリノベーションした、フレンチベースのレストラン。実は日本酒ファンの間で有名な「ふしきの」の姉妹店でもあり、アルコールのペアリングも評判だ。日本酒は常時約20種類以上揃い、ワインは約50種類。コースでペアリングを愉しむ場合は、日本酒だけ、あるいはワインだけを5~6杯合わせることはもちろん、日本酒とワインを組み合わせて愉しむこともできる。店主の宮下さんが敢えて「和と洋の垣根を作らない」のは、現代の日本の暮らしのハイブリッド感を大切にしているため。


前菜の「自家製生湯葉と真鯛のお造り リコッタチーズのソース」と「開運 特別純米 涼々」。

料理もハイブリッドで、ポン酢ジュレとリコッタチーズのソースをたっぷりかけた自家製湯葉と真鯛のお造りは、日本的な淡い旨みに酸味やコクのアクセントが利いたひと皿だ。静岡の地酒「開運 特別純米 涼々」を合わせると、さらりとした飲み口と酸味がジュレの酸味と同調し、あしらいのシソの実の香りが爽やかに広がる。一方、仔羊のローストと「田林 特別純米酒生もと」の燗酒は、仔羊の脂が口の中で溶け、柔らかな米の旨みが広がる組み合わせ。暑い季節は冷酒を選びがちだが、「燗酒は冷房で冷えた体を弛緩させるので、リラックスできてお薦めです」と宮下さん。お酒の選択肢は複数用意されているので、その日の気分で選びたい。

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=古田登紀子


店内は1階のカウンター席(写真)と2階のテーブル席を合わせて16席。器のギャラリーも併設。

2Fのギャラリースペースはレストランの個室としても利用することができる。

店主の宮下幸子さん(左)と小坂考弘シェフ。シェフはフランス料理店をはじめ、日本料理店でも経験を積んだ。

(ENGINE2021年7月号)

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