2021.06.20

CARS

アバルト往年の名車、1000スポーツ・プロトティーポがアルファ・ロメオ4Cベースで復活

量産化を切望したくなる高い完成度

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アバルトがワンオフのスポーツカーである「1000SP」を発表した。1966年の登場から55周年を迎えた「アバルト1000スポーツ・プロトティーポ」へのオマージュとなるモデルだ。

真紅のボディカラーを持つスタイリングは最新のスポーツカーにふさわしい空力設計が施されながらも、ホイール・アーチ付近が盛り上がったシルエットのフルオープン・ボディをはじめ、ディテールに至るまで往年の名車の要素がふんだんに採り入れられている。鼻先のエア・インテークとボンネット上の冷却用スロット、リア・フェンダー上部のエア・インテークとその後方のアウトレット・ダクト、エンジン・フードの放熱スリット、リア・エンドの円形テール・ライトと左右に分割された開口部など、まさしく、アバルトのレジェンドの現代解釈版といえる仕上がりだ。





見た目はレトロだが、中身は最新

いっぽう、シャシーをはじめアルファ・ロメオ4Cの要素を用いた機能部分には隔世の感がある。オリジナルのシャシーは鋼管スペースフレームだったが、現代版はカーボン・バスタブを中央に置き、その前後にアルミ・サブフレームを組み合わせたハイブリッド構造を採用。サスペンションは、フロントがAアームを上下に重ねたダブルウィッシュボーン式で。リアはマクファーソンストラット式。リア・ミドシップにマウントされる240psの1742cc直4ターボも4C譲りだ。

この現代版10000スポーツ・プロトティーポの源流となるアイデアは4C発売より前の2009年にデザインセンター内で発案されていたという。4Cの登場によりそれは見事、具現化されることになった。

今回の1000SPはワンオフであると明言されており、量産の予定はアナウンスされていない。だが、2020年に生産を終えた124スパイダーに代わるアバルト・オリジナル・モデルへの期待を大いに駆り立てる機会となるに違いない。



(ENGINE WEBオリジナル)

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文=関 耕一郎

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