2021.07.09

CARS

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ルノーからの最後の贈り物 カングーの最終モデルとして導入されたディーゼルMTモデルに試乗した

カングー初のディーゼル・エンジン

ルノーの看板車種として、多くの人に親しまれてきた現行カングー。欧州などではこの乗用車版のほかに商用車版もあるが、前者に限れば2020年、世界でもっとも売れたのはこの日本だという。ここは世界レベルで見ても、カングー愛が深い国のひとつなのだ。

そんな国へのルノーの感謝の気持ちだろうか、現行型としての最後の限定車は、リミテッド・ディーゼルMTという名称でわかるように、日本仕様初のディーゼル・エンジンと6段MTの組み合わせで現れた。

6色のカラーが選べるエクステリアは、過去の限定車に採用されたことがあるブラック仕上げのバンパーやホイールとともに、フロント・バンパーに埋め込まれたLEDデイタイム・ライト、フロント・ドアに加えられたリミテッドのエンブレムが、さりげなく違いをアピールしている。

インテリアは見慣れたカングーそのまま。5000rpmを超えてからレッドゾーンになるタコメーター、190km/hまで数字が振られたスピード・メーターなどもガソリン車と変わらない。

L字型のパーキングブレーキ・レバー、前席頭上のトレイ、後席頭上の3分割のストレージ・ボックス、観音開きのリア・ゲートなど、使い込むほどにありがたいと思える作りの数々も不変。しかし走りはじめると、いろんな部分で違いを発見する。

ボディ・カラーはこのブルー・エトワール・メタリックをはじめ全6色。

リミテッド・ディーゼルMTの前後バンパーとグリル、ドアミラーは樹脂素材を活かしたブラック仕上げとなる。

ブラックのスチールホイールにはブラックのセンター・キャップとボルト・カバーが備わる。

ドアにはリミテッド・ディーゼルMT専用のバッジが備わる。

変速回数はガソリンの半分

1.5リッター直列4気筒ディーゼル・ターボは、欧州仕様に積まれるユニットをベースに、日本の排出ガス規制に適合するよう改良を施したもので、最高出力116ps、最大トルク26.5㎏mを発生する。前者は既存の1.2リッター4気筒ガソリン・ターボより1ps高いだけだが、後者は実に7.1㎏mも上回る。

アイドリング付近でクラッチをつなぐと、タコメーターではECOの文字がある2000rpmあたりから力がもりもり湧き出てくる。ガソリン車でペースを上げようとすると3000rpm以上まで引っ張りがちになるけれど、こちらはトルクの波をつなぐように早めに変速しても、同等以上の加速が得られる。

反面2000rpm以下のトルクはさほどではないけれど、ディーゼルならではの粘り強さはしっかり備えているので、渋滞は2速ホールドで大丈夫だ。それ以外のシーンでも、変速の回数はガソリン車の半分ぐらいで済む。

開放感の高いデザインを持つインパネは基本的にカタログ・モデルと同じ意匠。

6段MTは節度があり、操作感はいい。

フロント・シートはクッションが厚くとても掛け心地がいい。カングーの乗り心地がいいのはこのシートによるところも大きい。

それぞれの面積が均等に分けられた3人掛けのリア・シート。

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