2021.07.28

CARS

後輪駆動を死守 BMW2シリーズ・クーペがフルモデルチェンジ

BMW2シリーズ・クーペが本国でフルモデルチェンジした。4ドア・セダン、4ドア・クーペの「グランクーペ」やMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)の「アクティブ・ツアラー」、「グラン・ツアラー」などほかの2シリーズが前輪駆動を採用するなか、クーペも追従するのではという声があったものの、型式名ではG42型と呼ばれる2代目2シリーズ・クーペは、かねてよりBMWが示唆してきたとおりFRシャシーでの登場となった。

4シリーズよりも20cm短い

ボディ・サイズは全長4537×全幅1838×全高1390mmで、兄貴分の4シリーズより全長が200mm強短いが、全幅と全高は同等だ。先代のF22型に対しては、100mmほど長く、70mm弱広く、30mmほど低くなった。ホイールベースは先代より50mm延長された2741mmで、4シリーズより110mmほど短い。車両重量は直4エンジンの「220i」が1490kg、6気筒+4WDの「M240i」が1690kgだ。









縦長グリルは採用されず

ボディ・サイズは拡大されているが、ロング・ノーズと滑らかなカーブを描くルーフ・ラインで構成されるプロポーションは驚くほど先代と酷似。4シリーズとは異なり、サイド・ウインドウの後端が前方に折れ曲がるBMW独特の意匠である「ホフマイスターズ・キンク」もしっかりと残されている。しかし、立体的なLED式の前後ライトや、アクティブフラップを備えるキドニー・グリルなどには、これまでのBMWでは見られなかったような多角形のデザインが盛り込まれた。4シリーズで物議を醸した縦長グリルが採用されなかったことに、安堵するユーザーは少なくないだろう。全幅が先代ベースのF87型M2に近いほど広がった全幅を活かしたワイドな前後フェンダーは先代以上にスポーティな印象を醸し出す。リア・オーバーハングが短いのは先代同等だが、容量は先代比+20リッターの390リッターで、35mm低くなった開口部や、4人乗りながら3分割可倒式リア・シートの採用など使い勝手も高そうだ。

インテリアでは、エンジン回転計が反時計回りのメーター表示や、ドライバー側へ傾けた横長のセンター・ディスプレイなど、4シリーズに共通するデザイン要素が見て取れる。オプションのヘッドアップ・ディスプレイは、運転中の視野に入るようにフロント・ウインドウへフルカラーで各種情報を投影する。








 
プラットフォームは4シリーズと共有

プラットフォームは4シリーズ用と基本設計を共有しており、ボディのねじり剛性は先代より12%向上している。サスペンションはフロントがストラット式、リアが5リンクのマルチリンク式。トレッド拡大やバネ下重量軽減、現行型3シリーズから導入されたパッシブ減衰調整ダンパーの採用などにより、運動性と快適性の両面で改善を図った。

まずは3機種が設定され、ガソリンが2.0リッター直4ターボ(184ps/300Nm)の「220i」と3.0リッター直6ターボ(374ps/500Nm)の「M240i・xドライブ」の2機種、ディーゼルが2.0リッター直4ターボ(190ps/400Nm)の220dの1機種。直4モデルは後輪駆動で、直6は4WDとなる。またいずれのエンジンも現時点では、8段ATのスペックのみとなっている。発表された資料の中には「230i」の名も発見できるため、今後のバリエーションの拡充は確実。MTの追加にも期待したいところだ。

2021年7月8日から11日に開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でデビューした新型はメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で生産され、2022年初頭に販売を開始する予定だ。







文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

 

 

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