2021.08.21

CARS

コンパクトカーの決定版になるか? 2代目トヨタ・アクアがデビュー

トヨタのハイブリッド専用コンパクト・カー、アクアがフルモデルチェンジ。2011年に発売され以来、「プリウスc」の名前で導入された北米市場を含め、世界累計187万台を販売したヒットモデルが初の全面刷新を果たした。

初代を上回る完成度

アクアの魅力はハイブリッドならではの低燃費だけでなく、コンパクト・ボディゆえの優れた使い勝手や、クラス水準以上の高い質感が挙げられる。2代目となる新型もその長所に関して初代以上の完成度を目指した。







5ナンバー・サイズを死守

ボディ・サイズは全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm(FF車)で、先代との違いは全高が30mm引き上げられたのみ。ホイールベースは50mm長い2600mmとなった。これにより、後席と荷室の空間が拡大されている。プラットフォームはヤリス同様、「TNGA GA-B」を採用。フロントがストラット式、リアがトーションビーム式(4WDはダブルウィッシュボーン式)というサスペンション形式もヤリスと同じだ。

インテリアには、10.5インチ画面のディスプレイ・オーディオをトヨタのコンパクト・カーでは初採用。ほかにも、合皮素材のトリムやステアリング・ホイール、電動調整式シートなど、実用本意の小型車より上級感のあるアイテムを装備した。AC100V・1500Wのアクセサリー・コンセントと非常時給電モードも全車に標準装備している。









エンジン、モーターを最新版に刷新

1.5リッター直4とモーター、そして動力分割機構の「THS II」を組み合わせたパワーユニットの構成自体は先代と変わらないものの、すべてのユニットを刷新している。エンジンはこれまでの4気筒に替えて、ヤリス・ハイブリッド(ヤリスHV)と同じ91ps/120Nmを発生する直3の高効率ガソリン・エンジンを採用。80ps/141Nmのモーターも新ユニットに変更されている。ちなみに、エンジンとモーターの出力はヤリスHVと同値だ。

またアクアとしては初めてリア・モーターを加えた電気式4WD設定。リア・モーターの出力はヤリスHVよりも若干高い6.4ps/52Nm(エントリー・グレードのBはヤリスHVと同値の5.3ps)を発生する。WLTCモードでの燃費は先代比で約20%向上し、最高で35.8km/リッターを達成する

バッテリーは、セルの集電体の表側を正極、裏側を負極にすることで隣り合う正負極の集電体を一体化した「バイポーラ型」ニッケル水素電池を世界初採用。コンパクト化しながら、出力を従来の約2倍に向上。燃費改善に貢献するとともに、加速をスムーズにし、電力のみで走行可能な速度域を拡大した。

さらにBグレードを除く全車に、トヨタ初の「快感ペダル」という機構を導入。アクセレレーターだけで加減速の調整ができる「ワン・ペダル」に近い機能で、走行モードの「パワー+」を選択し、アクセレレーターの踏み込みを緩めると、回生ブレーキによる減速度を増大させ、ペダル踏みかえ頻度を減らす。





価格は198万円~

運転支援システム(ADAS)も充実。最新の予防安全装備のほか、駐車時の全操作支援機構や前後に加えて側方の静止物も検知するパーキング・サポート・ブレーキといった、トヨタの既存のコンパクト・カーには用いられていない技術も投入された。

FFと4WDそれぞれ「B」「X」「G」「Z」の4グレードを展開。価格はB(FF)の198万円から、Z(4WD)の259.8万円まで。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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