2021.08.22

CARS

新型GR86&スバルBRZのプロトタイプに乗って驚いた!  速さだけじゃなく、エンジンもシャシーもすべてが大進化。しかも価格はほぼ据え置き!?

袖ヶ浦フォレスト・レースウェイを走る2台。左がGR86、右がスバルBRZ。

全ての画像を見る
ようやく発売の運びとなった新型スバルBRZと、その双子車であるトヨタ86改め新型GR86のプロトタイプに千葉県にある袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで試乗する機会を得た。果たして、そのデキ映えやいかに。率直なファースト・インプレッションをジャーナリストの島下泰久氏とエンジン編集長の村上 政が語り合った。

advertisement


進化の大きさにビックリ!

村上 新型GR86とスバルBRZのプロトタイプ試乗会が袖ヶ浦のサーキットで開かれました。その後、すでにBRZは発売されているから、あれはほとんど市販車そのままに近いものだったと言っていいでしょう。86の方の発売はもう少し先になるようですが、さて、ここは率直に訊きます。まず乗ってみての第一印象はどうでしたか?

島下 こういう時代の中で、これはとてもいいスポーツカーが出たなあ、と思いましたね。自然吸気でマニュアル・シフトも選べるなんて、正直言って、最近そんなのなかったから。

村上 なるほど、その通りだと思うけど、今回の試乗会で面白かったのは、まず旧型に乗せてから、新型を体験させたことだよね。私は旧型に乗るのは久しぶりで、乗ってみて正直、エッ、こんなにユルいクルマだったっけ、と思っちゃった。しかも、旧型はぜんぜん遅い!


島下 そうですよね。それに比べて新型はとにかく速いから。


村上 そう。その違いがあまりに大きくて、まず驚いた。排気量を400cc上げて2400ccにしてあるとはいえ、基本は同じブロックをベースにした自然吸気エンジンなのに。速いというだけではなくて、吹け上がり感がまるで違っていた。新旧では、まるでスポーティカーとスポーツカーというくらいの違いがあると思ったね。今までのがダメだったと言うつもりはないけれど、進化ぶりが凄い。

島下 もちろん、ただ速くしたかったわけではないと思うんです。旧型のエンジンは中低速トルクが細くて、上まで回してしまえばいいんですが、下から踏んでいった時のアクセルのツキがいま一つという感じがあった。それを解決するためには、やはり排気量のアップかなということになったのだと思います。安易にターボにしないのもよかった!

村上 エンジンもそうだけど、シャシーについても旧型のユルさがとても気になった。


島下 そうですね。そのくらい進化していますよね、新型のシャシーは。


村上 新型では、そういうユルい部分がなくなって、すべてがシャキッとして引き締まっている。それが走り始めてすぐに体験できたことに感激しましたね。


島下 単純にイイモノ感というのか、これまでちょっとギシギシ、ミシミシ言っていたのを、ネジを全部締めたことによって、そういう悪い要素をすべて消し去って、モノとしての出来映えが格段に上ったという感じがすごくしますよね。その点には結構ビックリしました。








大人っぽくなったデザイン


村上 大きさや全体のフォルムはほとんど同じなんだけれど、デザインのテイストもちょっと変わりましたね。

島下 大人っぽくなったというか……。

村上 シンプルになった。今までのはちょっとコテコテしていたから。それをよりイマっぽい研ぎ澄まされたスポーツカーらしいデザインにした。

島下 スバルのデザイナーが言っていたんですが、今乗っている人が最初に買ってからほぼ10年経っているわけです。その人にもう一度買ってもらうためには相応に大人っぽいものにしなければならない。その意味でディテールは大人っぽく、しかし一方で若い人にも乗ってもらいたいから、フォルムのダイナミズムみたいなものは今まで以上にアグレッシブになっているように思います。

村上 そして今回、袖ヶ浦のサーキットを走り始めた時に、音からして全然違うのに驚いた。こんなに極端に違うのかというくらいに、新型はスポーツカーらしい音になっている。

島下 そりゃ、新型は人工的に音を出しているから。最初は、これはやりすぎじゃないかと思うくらいに大きな音だと思いました。でも、乗っているうちにいいのかなと思えてくる。

村上 電子的に作った音をダッシュボードの下に備えつけたスピーカーから出して加えているというだけど、あれがリニアな音じゃなかったら、嘘っぽくてかなりイヤだと思うんですよ。でも、回転が上がっていく時の高まりと見事に重なっているから不自然じゃない。

島下 そういう音づくりは相当がんばったって言っていましたよね。

村上 旧型は下のトルクがなかったから、あまり盛り上がりがこなかったけれど、今度のはトルクの盛り上がり感がしっかりあるから、それとサウンドがマッチしているのがいい。やっぱり、エンジンが良くなっているからこそこういう音も生きてくる。

島下 エンジンは排気量を上げて0-100㎞/h加速が従来の7.4秒から6.3秒になった。でも、速くなっている以上に、トランスミッションも含めたレスポンスやフィールが格段に良くなっている。前のは全体にガシャガシャした感じがありましたからね。それが本当にイイモノになったのが大きい気がします。

村上 積極的にマニュアルで乗りたい気がしたよね。オートマチックも悪くなかったけど。

島下 新型のATの出来映えはかなりいいと思いましたよ。

村上 サーキットより一般道を中心に走るんだったら、ATで十分だね。

島下 いや、サーキットだってATでいけるんじゃないですか? 新型はそれなりに速くなっているけれど、自動ブリッピング機能がついているわけじゃないから、ヒール&トゥとか、それなりにテクニックを要求されるわけです。そんなに慣れていない人にとっては、オートマチックの方がサーキットでも安心して楽しめるかな、という気はしました。

こちらは新型スバルBRZ。フロント・グリルのデザインの違いに注目。



無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement