2021.09.22

WATCHES

いま、この時計に胸キュン! 思わずひと目惚れする時計「シャネル」篇 現代アートのようなバイカラーウォッチ!

なぜ? と聞かれてもうまく言えないが、一瞬で好きになってしまうことがある。人も時計も。相手が人ならともかく、一体時計のどこに我々はこれほどまでに惹かれるのだろう。容姿端麗なデザインか、才色兼備のメカニズムか、はたまた運命の糸がそうさせるのか。そんな恋の始まりを予感させる、シャネルの高度な技術がもたらしたホワイトとブラックが癒合する注目モデルを取り上げ、そのキュンとくる魅力を時計ジャーナリストの高木教雄氏が解説する。

ホワイトであり、ブラックでもある、相反する2色の矛盾なき融合

何も語らずとも、この時計をひと目見ただけで、多くの人が心をときめかすであろう。白と黒、相反する2つの色で明確に切り分けた、かつてないバイカラーウォッチは、どこか現代アートの彫刻作品のような印象すら抱かせる。2000年にまずブラックで誕生し、3年後にホワイトが登場した「J12」は、セラミックで初めて立体的な丸型ケースをかなえたことで、時計史にその名を残す。 そして20年の間、シャネルはセラミックの加工技術を研鑽してきた。金型成形の精度は格段に向上し、かつてはできなかった切削加工も実現された。「J12 パラドックス」は、その成果のひとつである。ブラックとホワイトの各ケースをカットし、不具合なく組み合わせるには、それぞれのケースの成型と切断とが極めて高精度に行われていなければ、かなわない。高度なサヴォアフェール(職人技術)が注がれていると気付くと、心はなおさら踊る。半袖の装いに合わせたくなるが、ジャケットとも相性がいい。普段は袖口から黒だけが覗き、時間を確認しようと腕を引くとホワイトの部分が出現し、周囲の人の目を惹くから。 ガブリエル・シャネルは語った「黒にはすべてがある。そして白にも」と。「J12 パラドックス」には、すべてがある。





J12 パラドックスの「ココに胸キュン!」

白か、黒か? 「J12」を選ぶ際 に頭を悩ませる色の論争に終止符を打つブラック×ホワイトのバイカラーは、唯一無二。シャネルが資本参加するケニッシ社製Cal.12.1を搭載。高精度かつ堅牢な設計で、70時間駆動と実用性も高い。その自動巻きローターは、円と半円による幾何学的な造形が美しい。

2色のケースと裏蓋の各 パーツを、内部でムーブメントを固定するためのSS 製インナーケースで固定し、つなぎ合わせる構造でバイカラーを実現。ベゼルとダイアルは1ピース構造。ベゼルは全体をブラックで塗装し、ホワイトを重ね、ダイアルは逆にホワイトを施した後にブラックを塗り重ねている。自動巻き。高耐性セラミック+ステンレススティール、 ケース直径38mm 、50m防水。108万9000円。

文=高木教雄 写真=近藤正一

(ENGINE2021年8月号)

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