2021.11.14

CARS

アルファ・ロメオ・ステルヴィオで隠れ家の宿「界 鬼怒川」へ 静寂の宿と最高の山道を満喫する

ポスト・コロナ時代には、かつて東京からの団体旅行で賑わったけれど、今は寂れてしまったような近場の温泉地に再び注目すべきではないか。たとえば、鬼怒川温泉。隠れ家のような静寂の宿と緑の山道が待っている。

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客室数を絞った上質なくつろぎの宿

鬼怒川温泉には昔一度だけ行ったことがある。80年代末のバブル時代の真っ最中のことだ。当時在籍していた週刊誌編集部の社員旅行で一泊して、果てしのない大宴会を繰り広げ、翌日、二日酔いの頭を抱えながら帰京した。当時、東京からの団体旅行と言えば、熱海か鬼怒川が定番だった。その需要を背景に、巨大なホテルが林立したが、バブルが崩壊して団体旅行が流行らなくなり、さらにはリーマン・ショックや東日本大震災で個人客の足も遠のいたことから、巨大ホテルや旅館が次々に廃業していった。その結果、今では朽ちかけた建物が立ち並ぶ“廃墟の街”と化していると噂されている。

日光と会津若松を繋ぐ会津西街道(国道121号)の今市市付近にある杉並木。

そんな寂れた温泉地に隠れ家のような閑静な宿がある、と人伝てに聞いたのが今回の旅のきっかけだった。星野リゾートが日本全国に展開する温泉旅館ブランド「界」のひとつとして2015年にオープンした「界 鬼怒川」。客室数を絞った上質なくつろぎの宿というイメージの「界」が、あえてこの「宴のあと」のような巨大温泉地に、オリジナルでイチから設計して建てたという宿に、バブル時代とは正反対の静寂を求めて行ってみることにした次第である。

旅の足として選んだのは、アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2・0ターボQ4“ヴェローチェ”今年7月に追加されたばかりの新グレードだ。イタリア語で「速い、俊敏な」を意味する形容詞を、アルファは伝統的にシリーズの中のスポーティさと上質さを兼ね備えた上級モデルの名称に用いてきた。今回のステルヴィオ・ヴェローチェでは、エクステリアにボディ同色のホイールアーチやサイドスカート、リア・バンパーを採用。試乗車は特別色のミザノ・ブルー(サンマリノGPが開かれるミザノの海岸の青い空が由来)という鮮やかな青だったから、これが素晴しく効果的で、眩しいほど美しかった。

内装もアルミやレザーをうまく使ったシックな仕立てにして、高いスポーツ性能とエレガンスを両立させているのが特徴だ。

一方、インテリアにはアルミニウム・パネルやレザーダッシュボード、ホールド性に優れたレザースポーツシートなどが標準装備されている。スポーティな走りにも寛いだクルージングにも対応する、まさに小旅行には最適の室内空間を持つ。

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