2021.11.14

CARS

アルファ・ロメオ・ステルヴィオで隠れ家の宿「界 鬼怒川」へ 静寂の宿と最高の山道を満喫する


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走りを満喫した後、再び廃墟の街に戻ると、その途中を折れて、林の中の一本道を通り抜けた先に「界 鬼怒川」はあった。都会の喧騒はもちろん、鬼怒川の「宴のあと」の廃墟とも隔離された静寂の異世界がそこにはあった。畳にベッドという不思議なつくりの部屋の居心地も抜群だったし、アルカリ性の優しいお湯だから、何度入っても大丈夫という温泉には、大浴場に2回、部屋の露天風呂に2回漬かってしまった。

「界 鬼怒川」の客室は48室すべてが畳の部屋にローベッドとソファを配置し、随所に益子焼や黒羽藍染、大谷石などの地元の民藝を取り入れた「とちぎ民藝の間」となっている。

温泉は身体に優しいアルカリ性の湯だ。

地域の食材を随所に取り入れた季節感あふれる夕食も素晴しかった。詳しくは、http://kai-ryokan.jp/kinugawaで。

翌日はスッキリと目覚めて、鬼怒川の名前の由来になったという雄大な景色を望む龍王峡を見学。温泉街の廃墟とは裏腹に、そのまま残った大自然の素晴しさを満喫した後、塩原温泉に抜ける日塩もみじラインで一山越えて、塩原インターから帰ることにしたのだが、この道がまた最高のドライビング・ロードだった。最近は試乗といえば箱根くらいしか走らないが、もう少し足を延ばせばこんなに素晴しい自然の中のワインディング・ロードがあるのだ。

やがて来るポスト・コロナ時代には、こういう国内の小さな旅を見直すべきだ。その舞台のひとつにもなりうる鬼怒川のような所を廃墟のままにしておくのはもったいない。そう考えながら美しい緑の中を走り続けた。

フロントに縦置きされる2リッター直4マルチエア16バルブ・インタークーラー付ツインスクロール・ターボは280ps/400Nmのパワー&トルクを発生し、8段ATを介して4輪を駆動。全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm。ホイールベース=2820mm。車両重量=1810kg。車両本体価格=720万円(税込)。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬

(ENGINE2021年11月号)

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