2021.12.02

CARS

キャンプに行くならこんなクルマ 今一番の注目はショートなSUV! ランドローバー・ディフェンダー90とジープ・ラングラー・ルビコン・ソフトトップがカッコいい!!


advertisement


ジープ・ラングラーは大人気で、都内で本当によく見かける。現行型だけでなく旧型も数多く走っている。縦7本のスリットが入ったフロント・グリルや丸型ヘッドライトなど、ジープのアイコンにはあえて大きな変化を与えていないので、旧型の中古車もよく売れているようだ。ただし、ほとんどがアンリミテッドと呼ばれる5ドア・モデルだ。



それだけにショート・ボディの3ドア・モデルのスタイルは新鮮だ。悪路を走るための必要機能のみが凝縮されたようなシンプルなスタイルはめちゃくちゃカッコイイ。リアが間延びしないキュッと引き締まったスタイリングを見ると、ジープ・ラングラーはこっちが本道だとつくづく思う。

しかもリアの両サイドとテールゲートのウィンドウを外し、ソフトトップを後端までスライドさせれば、フルオープンになる。パーツが外れていけばいくほど、本来の姿になるように感じるのは、ジープ・ラングラーの個性だと思う。本国ではさらにドアを外し、フロント・スクリーンを前に倒したりするわけだ。

3.6リッターV6のナチュラルな加速が素晴らしい。車重は1880kgで、5ドア・モデルより170kgも軽い。幌仕様なので上屋が軽いせいか軽快だ。秋晴れの下、風を浴びて走り出すと気持ちまで解放的になる。



一方、乗り心地は我慢が強いられる。ホイールベースが短いので、路面が荒れるとボディの上下動が激しい。おまけにオフロード重視のルビコンなので、マッドテレーンと呼ばれる極悪路用タイヤを標準装備。終始、ウニウニしていて落ち着きがない。お世辞にも剛性感が高いとは言えない。

そんなプリミティブな印象も走っているうちに「まあ、いいか」と思うようになっていった。これならどんなところへでも行けると思わせる走破性は、自由を感じさせてくれるからかもしれない。イーグルスの「テイク・イット・イージー」をかけながら走ったら、乗り心地が悪いのに遠くへ行きたくなった。

圧倒的に使いやすい

ディフェンダーには初めて乗った。ずっと気になっているクルマである。ジャーナリスト達の評価は高いし、デザインも秀逸だと思う。ロングの110より90の方がキリッとしていて好きだ。だから街で偶然目にしたりすると、目で追ってしまい、ああ、やっぱりカッコイイな、と思ったりしていた。



ジープ・ラングラーから乗り換えたファースト・エディションは、艶消しシルバーのボディ・カラーが、モダンなスタイリングによく似合っていた。

インテリアもオトコの仕事場といったラングラーよりもスッキリしていて現代的だ。

運転してみるととてもいい。ラダーフレームのジープ・ラングラーからモノコックのディフェンダーに乗り換えたせいか、高速スタビリティが圧倒的にいい。ステアリング・フィールも落ち着いていて快適至極である。

いいなあと思ったところをさらに挙げていくと、常用域のトルクが豊かで扱いやすい2リッター直4ターボ・エンジンがある。ショート・ボディと言っても2100kgもあるディフェンダー90を、街中ではその図体に似合わないほど活発に泳ぎまわらせるし、中央道の長い上り坂でも追い越しをラクなものにしている。



8段ATの制御もスムーズだし、乗り心地はフラット感があって好ましい。ショート・ボディとはいえ、後席も十分座れる。実用性もジープ・ラングラーより高い。ジープ・ラングラーに比べると、圧倒的に使いやすいオール・ラウンダーというのが、ディフェンダー90に乗った印象だった。

70年ぶりに初のモデルチェンジを受けた新型ディフェンダーの個性は、イッキにオンロード性能が洗練されたことだ。思えば、レンジローバーやジープ・グランドチェロキーなどほかのオフローダーの歴史を振り返ってみても、オンロード性能の向上をめざして来た歩みだった。



先代同様オフロード性能は高いけれど、できれば汚したくないと思うのが現行型ディフェンダーだと思った。

一方、ジープ・ラングラーをフルオープンで走っていると、悪路に挑戦したい! どこかにダートはないか? と探す自分がいる。自由を得るために何かに挑戦するという雰囲気がプンプンする。初代のコンセプトに近いのはジープ・ラングラーなのかもしれない。そして、こういうクルマは依然としてほかにない。

快適性や利便性だけで割り切れないのだから、クルマは面白い。あなたは汚す派? 汚さない派?

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦



■ジープ・ラングラー・ルビコン・ソフトトップ
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4320×1895×1875mm
ホイールベース 2460mm
車両重量 1880kg
エンジン形式 V型6気筒DOHC
総排気量 3604cc
最高出力 284ps/6400rpm
最大トルク 347Nm/4100rpm
変速機 8段自動AT
サスペンション(前&後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前/後) ディスク/通気冷却式ディスク
タイヤ(前&後) 235/40R18
車両本体価格 622万円

■ランドローバー・ディフェンダー90ファースト・エディション
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4510×1995×1970mm
ホイールベース 2585mm
車両重量 2100kg
エンジン形式 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1997cc
最高出力 300ps/5500rpm
最大トルク 400Nm/2000rpm
変速機 8段自動AT
サスペンション (前)ダブルウィッシュボーン/エア (後)マルチリンク/エア
ブレーキ(前&後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前&後) 275/45R22
車両本体価格 745万円

(ENGINE2021年12月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement