2021.12.03

CARS

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今いちばんセンスのいい電気自動車! パリ生まれのDS3クロスバックEテンス!!

輸入車ブランドから次々に新しいモデルが発売され、いよいよ本格的になってきた電気自動車の市場。でも、どれもが1000万円オーバーの高級車ばかり、と思っていたら、ありました。ちょうどいいEVが! DS3クロスバックEテンスは、毎日気兼ねなく使えて、しかもちょっと豊かな気分になれるクルマだ。

記憶に残るクルマ

コンパクト・クラスのなかで、DS3クロスバックほど目を引くクルマはない。街中でも高速道路でも、駐車場でだって、通り過ぎざまに思わず二度見してしまうような不思議な存在感がある。

スポーツカーのようなカッコよさとも違うし、強烈な押し出しの強さがあるわけでもない。でも、一度目にするとしっかり記憶に残るような独特なデザイン。それがDS3クロスバックの魅力にもなっていると思う。

全長×全幅×全高はそれぞれ4120×1790×1550mm。

クルマは移動のための道具だから、機能をデザインしていることにはなるけれど、DS3クロスバックのデザインはいわゆる機能美とは違うと思う。たとえば後席ドア・パネルのBピラーの付け根の造形は、窓やドアの開閉とはなんの関係もない。「どんな機能があるの?」という思考があるうちは見えてこないが、そういう考えをやめた途端、エンブレムと同じDSの「D」がドーンと見えてくる。こんなんところにこんなに大きなDが隠れていたとは。そうすると、フロントのデイライトの描く曲線がSであったりとか、ほかにも見えてくるから面白い。まるで走るモダン・アート。時には大胆に、時にはこっそりと、まるで秘密結社の記号のようにクルマのあちこちに意味ありげなデザインが施されている。



でも、なぜそんなふうにデザインしたのか。これはオリジナルDS、つまり1955年にパリ・モーターショーで発表され、世界に衝撃を与えたシトロエンDS19の成り立ちを知ると合点がいく。少し脇道にそれるけれど、現在のDSブランドのルーツでもあるので触れておきたい。

宇宙船と呼ばれたDS19をデザインした彫刻家

エンジニアリング的には、サスペンションやステアリング、ブレーキにトランスミッションまでをひとつの油圧ポンプで制御するという革新的な技術が度肝を抜いたDS19だが、その新技術を包むカタチ=デザインは、実はそれ以上に重要な意味を持っていた。



大きなラジエーターが鎮座するそれまでのクルマとは似ても似つかない、フロント先端からリアの後端まで一筆でなぞることができるDS19の特徴的な流線型のフォルム。宇宙船と呼ばれたこのクルマをデザインしたデザイナーのフラミニオ・ベルトーニは、実は彫刻家でもあった。大きな塊から人々の心を動かすような芸術作品を削り出すのが彫刻家だとすれば、ベルトーニはDS19を同じように創造力のおもむくままに削り出したに違いない。しかし、出来上がったデザインは、当時のクルマづくりの常識を超えていた。



ボディに埋め込まれたヘッドライトや枠のないサッシュレスのドアを実現するために当時の技術者が頭を悩ませたことは想像に難くない。「美しい」という理由でデザインされた複雑で有機的な、まるでオブジェのようなドア・ノブに至っては、いったいどうやって工業製品として量産することができたのか不思議なくらいだ。高度な技に裏打ちされた職人による手仕事を、フランスではサヴォア・フェール(Saoir-Faire)と呼んで、特に大事にしているが、まさにDS19では芸術と技術の融合にサヴォア・フェールが大きな役割を果たしていた。





シトロエンのプレミアム・ブランドとして誕生し、独立ブランドとなった現在のDSオートモビルの精神的ルーツはもちろんDS19である。サヴォア・フェールの概念は今も息づいているし、アーティスティックなデザインは、ベルトーニから続くDSの伝統でありDNAというわけだ。

まるでアートサロンのような室内だ

そんなDS3クロスバックのフルEVモデル、Eテンスにあらためて乗ってみた。ガソリン・モデルは乗ったことがあるが、EVははじめてだ。



室内はガソリン・モデルと基本的に変わらないアートな世界が広がっている。ルーブル美術館のナポレオン広場のガラスのピラミッドに着想を得たという菱形のデザインが、インパネやドアトリムのステッチや、インフォテインメントのスイッチなど、いたるところにあしらわれており、クルマの室内というよりアートサロンのような雰囲気が漂う。それは特にEテンス専用の白いナッパレザーの内装のためでもあるが、DS19の室内が同じく「動くサロン」と言われていたのを思い出した。





DS19の室内はアール・デコ調だったが、DS3にもその面影があり、センターコンソールに並ぶスイッチ類はクルド・パリ(パリの爪)と呼ばれる三角の特徴的な意匠が施されている。日常をワクワクさせてくれる粋な演出だが、こういうデザインは生真面目なドイツ車には絶対にない。





◆DS3クロスバックEテンスの詳しい情報はコチラ◆

DS3クロスバックのようなアート的な遊び心のあるクルマはどんな人に似合うのか。思いついたのは以前『エンジン』の連載「マイカー&マイハウス」で取材したガラス張りのモダンな家に住むHさんの家族だ。連絡してみると、面白そうだというので、筑波山の麓にあるお宅までドライブすることにした。

Hさんの家までは片道でだいたい150キロくらいだが、満充電で398キロ(JC08モード)走れるDS3クロスバックEテンスなら、往復それぞれ1回の充電で行き来できると考え、行きは常磐道の守谷のサービスエリアの急速充電器で充電した。



EVのDS3クロスバックEテンスで驚いたのは乗り心地だ。柔らかめでしっとりとしており、乗り心地の良さは大型サルーンに引けを取らない。バッテリーのためにガソリン・モデルより車重は重いが、サスペンションの硬さと柔らかさのバランスは絶妙だと思った。高速道路ではヒタっと路面貼りつくように走るが、これはバッテリーを床下に搭載して低重心化しているおかげだろう。コンパクトなサイズが信じられないくらい安定しているのは驚くほかない。

ロールス・ロイスのような静かさ

フロントに搭載されるモーターのパワーは136馬力。数字的には必要にして十分という値だが、走り出しで痛痒を感じることはまったくない。これはモーターならではの特性で、260Nmの最大トルクを300回転という極低回転から発生するためだ。モーターの利点はほかにもあって、とにかく室内が静か。しかも走りはシームレスでスムーズ。これをもっとうとするロールス・ロイスがEV化を急ぐ理由がわかる。プレミアム・ブランドを謳うDSオートモビルのキャラクターにぴったりだと思った。

H邸のガレージで。

夕方前に到着したHさんのお宅は以前に取材したときと同様、モダンでクリーンな空間を楽しんでいる様子が伺えた。壁という壁がすべてガラス張りの家は、夏は暑く冬は寒いが、Hさんは「季節がダイレクトに感じられる」と前向きだ。室内にはよく吟味された上質な家具が置かれ、ミニマリスティックな空間と上手くバランスしている。





Hさんは大手建設会社でダムの設計をするエンジニアだが、そんなHさんにDS3クロスバックの印象を尋ねると、フロント・グリルを指差しながら「この造形は彫刻的ですね」という返事が返ってきた。DS3クロスバックEテンスのデザインは機能美ではないという話をしていると、奥様が「実用的というより、遊び心があって楽しいデザインだと思う」と会話に参加してきた。Hさんの家族はみなアートに対する感度が高い。実はHさんは日本車の旧車が大好きだが、そんなHさんがふと「箱スカのデザインはすべてに理由がある必要なデザインだけれど、これは違う。必要はないけれど、必要なデザイン」。機能としては必要ないけれど、人の心を豊かにするには必要なデザインということだろう。



Hさんの家族はこの家に住むことで様々な影響を受けているに違いない。暮らしのなかで芸術的なものが心を豊かにしてくれる、あるいは生活に彩を与えてくれることを経験で知っている。DS3クロスバックEテンスのようなクルマは、そういう豊かなセンスを持った人にこそ乗って欲しいと思う。

◆DS3クロスバックEテンスの詳しい情報はコチラ◆

文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦 コーディネート=ジョー スズキ

■DS3クロスバックEテンス
駆動方式 フロント1モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4120×1790×1550mm
車両重量 1580kg
駆動用バッテリー リチウムイオン電池(50kWh)
最高出力 136ps/5500rpm
最大トルク 260Nm/300-3674rpm
一充電走行距離 398km(JC08モード)
充電時間 普通充電3kW /200V=18時間 急速充電50kW=50分
車両価格 534万円(税込)

(ENGINEWEBオリジナル)

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