2021.12.02

CARS

2.4リッター搭載で走りも2割増し!? 新型スバルWRX・S4がデビュー

スバルのスポーツセダン、「WRX・S4」がフルモデルチェンジ。2代目へと進化を遂げた。先日アメリカで発表されたWRXの日本市場向けモデルで、車名は異なるものの、基本的に仕様はほぼ同じだ。

レヴォーグのセダン版

SUV風にも受け取れるフェンダーの処理を持つエクステリアは、とくにフロントまわりを中心にレヴォークとの共通する部分が多く、レヴォーグのセダン版と言ってもいいデザインになっている。フォルムやディテールの処理のみならず、表面処理にいたるまで徹底的に空力性能を追求。気流の剥離を抑制したり乱流の制御を行うことで、燃費と操縦安定性の向上に努めている。

ボディ・サイズは全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mmで、先代比で全長は75mm長く、全幅は30mm広いが、全高は10mm低くなった。ホイールベースは2675mmで25mm伸びている。



走りだけでなく、実用性にも配慮

室内はショルダールームや後席レッグルームなどを拡大することでゆとりある空間を構築。シートは構造や素材、サポート部の形状見直しなどによりホールド性と乗り心地を高めた。荷室は先代以上の大きさを確保。高度運転支援システムのアイサイトXの導入や9つのエアバッグを採用することにより安全性を向上。ファミリー・カーとしての実用性も高められている。





排気量はアップしたが、出力はダウン

エンジンはもちろん水平対向4気筒だが、これまでの2リッターに替えて新開発のFA24型2.4リッター直噴ターボを搭載。最高出力275ps/5600rpm、最大トルク375Nm/2000〜4800rpmで、従来の2.0リッター仕様と比べると発生回転数は同等だが、出力は25ps/25Nmダウンしている。

ターボにはウエストゲートとエアバイパスに電子制御バルブを採用し、低速レスポンスを大幅に向上。低回転からの高い応答性を実現するとともに、高回転での落ち込みを抑えた。また、燃費が約8%改善している。



新しいCVTで走りを強化

トランスミッションは従来モデル同様にCVTを採用するが、変速比のカバー領域を上下ともに拡大した改良型で、加速性能向上と振動・騒音低減を図った。また、走行モードにかかわらずプログラミングされた8段の変速比に沿って加減速をするため、CVT特有の回転数と車速の不一致感を抑制。旋回中は低い変速比を維持してエンジン回転を高く保つなど、スポーツドライブに適した制御も行う。

駆動方式は4WDで、前後駆動力配分は45:55という先代と同様に後輪偏重型を採用する。高性能グレードの「STIスポーツR」には、差動制限を抑えてニュートラルな旋回挙動をもたらすAWDスポーツ・モードが新設された。



GT-HとSTIスポーツRの2グレード、4タイプ

シャシーは、サスペンション・ストロークをフロントで5%、リアで20%延長。スタビライザーの取り付け位置の見直しや、スプリングとダンパーからの入力を分割する構造の導入などにより、操縦性や安定性、制振性などを高めた。姿勢安定制御のVDCとトラクション・コントロールのTCSは従来型同様に完全オフが可能だが、新たに介入度合いを可能な限り抑えるトラックモードが追加されている。

グレードはGT-Hと電子制御の可変ダンパーやレカロ製シートが標準となるSTIスポーツRの2グレードで、それぞれにナビゲーションや運転支援装置を標準装備とした「EX」仕様が設定されている。

価格は400.4〜477.4万円。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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