2022.01.03

LIFESTYLE

外観からは内部がまったく想像できない驚きの住宅! 人気建築家が自邸で表現した「素敵な未来」の空間とは

天井高の大空間に溢れた明るい色彩。建築家の寺田尚樹さんがインテリアとあわせてつくったこの家は、彼が子供の頃に夢見た輝かしい未来を表していた。雑誌『エンジン』の、クルマと暮らす理想の住まいがテーマの人気シリーズ。今回は、人気建築家が建てた、まるでSF映画に出てくるような家を紹介する。

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映画『2001年宇宙の旅』にも通じる世界

全くもって驚きの住宅だ。7m近い天井高の大空間に、カラフルな名作家具やオリジナルのソファーが置かれている。こんな部屋、見たことがない。しかもこれほど個性あるインテリアのお宅が、杉並区の閑静な住宅街に外からそれと分からずに建っているとは。ここは今夏完成した、建築家である寺田尚樹さん(54歳)の自邸、テラダハウス。インテリアも自身で手掛けている。テーマは、「子供の頃に夢見た、ちょっと素敵な未来」。そう説明されて見回すと、誰もが輝かしい未来がやってくると信じていた、1950~60年代の家具が多いことに気付く。この時代に生まれたデザインは、現代では真似できないロマンチックな香りがする。映画『2001年宇宙の旅』にも通じる世界だ。



インテリアも同時進行で

実は寺田さん、何軒かの住宅やビルを手掛けているが、インテリアや家具、プロダクト・デザインにも比重を置いて活動してきた。現在は、オフィス家具の販売・インテリア設計を行っているインターオフィス社の社長であるとともに、アメリカ家具の歴史を作ったノール社の日本副社長も務めている。そんなバックグラウンドから、「建物の設計とインテリアのデザインは同時進行だった」そうだ。世に多い、箱を作ってから家具を決めた家では到底生まれてこない完成された空間である。なんと言っても、螺旋階段を上った2階に置かれた、赤い彫刻のようなソファー、「リビングタワー」が効いている。美術館か家具の事典でなければ滅多にお目にかかることのない逸品を、「長いこと自宅の中心に使ってみたいと考えていた」とか。テラダハウスにテレビはなく、ここに家族で登って、壁に投影されたプロジェクターで映画を鑑賞するそうだ。



このソファーに限らず、赤・黄・オレンジといった明るい色が大空間に溢れていることによる視覚効果は大きい。そのうえ、多くの建築家が作り付け家具を製作するところを、寺田さんは既成のシェルフ(棚)で対応。結果、ポップで楽しい空間になっている。これだけ独自の世界観を持った住宅は世界的にも珍しく、さっそく海外の有名メディアでも紹介されたほどだ。

因みにリビング・ダイニング・キッチンの南側の傾いた壁は、地下から2階の棟木まで一直線に続いている。壁の向こうの空間が、地下1階の玄関ホールから、1階のバスルーム、2階の寝室と、上に行くに従って広くなる間取りだ。同時に、地下1階で暮らす寺田さんのご両親と、寺田さん夫婦とお嬢さんの3世代が壁で繋がり、ひとつの屋根の下で暮らしていることを表現したものでもある。これまで寺田さん一家は、この家から近い奥さんの実家で、奥さんのご両親と暮らしてきた。そして50代半ばになり、自分の両親と一緒に暮らすためにこの家を建てたのである。2mを超す巨大なダイニングテーブルは、料理上手の寺田さんが両方の家族を招いて、かけがえのない時間を過ごすためのものだ。


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